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日弁連が臨時総会、弁護士の横領被害者への見舞金制度の創設案可決…反対意見も相次ぐ
臨時総会の様子

日弁連が臨時総会、弁護士の横領被害者への見舞金制度の創設案可決…反対意見も相次ぐ

日本弁護士連合会の臨時総会が3月3日開かれ、成年後見制度などで弁護士に財産を横領された被害者に対して、1人あたり500万円を上限として見舞金を支払う「依頼者見舞金制度」を創設する議案が賛成多数で可決された(内訳は賛成9848、反対2699、棄権88)。制度が適用されるのは2017年4月1日以降に発生した横領行為から。10月1日に施行する。

弁護士による預かり金の横領など不祥事が相次いでいることを受けて、市民の弁護士に対する信頼を回復することを目指す。

対象となるのは、成年後見などを委託した弁護士に財産を横領され、30万円以上の損害を被った人。被害者からの申告を受けて、日弁連の調査委員会が被害の発生と損害額を調査し、会長が支給の有無と金額を決定する。財源は日弁連が約3万9000人の会員から強制的に徴収している会費を充てる。

臨時総会では、弁護士から、「信頼回復のために是非とも制度を作ってほしい」など、賛成意見が上がる一方、反対意見も相次いだ。「強制加入団体において、犯罪人のために一般会員の会費を使うことは異例中の異例だ」「4000万円横領された被害者に500万円を支払うことで、弁護士への信頼が回復するのか。犯罪被害者支援制度のように、被害者のために弁護士を付けたり、弁護士費用を負担するなどすべきで、お金を支払って終わりにするべきではない」などの意見があった。

この制度について議論がなされている最中、東京弁護士会に所属する弁護士が、預かった3通の委任状について、名前が書き換えられていたと発言。事実確認のため議論を打ち切るべきか多数決で是非が問われたが、反対多数で否決された。

(弁護士ドットコムニュース)

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