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2018年02月20日 17時49分

任天堂、訴訟記録にみる「対コロプラ」攻略法…「白猫」プレイ、画像付きで詳細検証

任天堂、訴訟記録にみる「対コロプラ」攻略法…「白猫」プレイ、画像付きで詳細検証
白猫プロジェクト(App Storeより)

任天堂とコロプラの間に起きた特許権侵害訴訟。2月16日に第1回口頭弁論が開かれ、訴訟記録の閲覧が可能になった。弁護士ドットコムニュースは2月20日、東京地裁の民事記録閲覧室で記録を閲覧した。

●「白猫プロジェクト」で400億円の損害を主張

問題になっているのは、コロプラが配信するスマホRPG「白猫プロジェクト」。任天堂は5件の特許権侵害があるとして、配信停止などを求めている。

損害賠償については、2014年7月の白猫配信以来、コロプラがユーザー課金で得た利益は400億円をくだらないとして、自社には400億円の請求権があると主張(特許法102条2項)。そのうち一部請求として、弁護士費用4億円を含む44億円を請求している。印紙代だけで1522万円を支払い済み(訴額は約92億円)。

陣容は、任天堂側が2事務所の弁護士5人、弁理士1人、補佐人の弁理士1人。コロプラ側が2事務所の弁護士7人、弁理士2人、補佐人の弁理士3人。いわゆる「四大」「五大」とされている法律事務所や、知的財産分野を得意とする法律事務所が名前を連ねている。

●「ぷにコン」など5つの技術が争点に

対象となっている特許は5つ。具体的な白猫のシステムとの対応は次の通り(【】内が任天堂の特許)。

・「ぷにコン」=タッチパネルでキャラクターを移動させる技術【特許第3734820号】

・「チャージ攻撃」=タッチパネルの長押しで近くの相手を自動で攻撃するなどの挙動【特許第4262217号】

・「スリープモード」=省電力モードからゲームに復帰する際に確認画面をかませる【特許第4010533号】

・「フォローシステム」=友人と協力プレイやメッセージのやりとりを行う通信機能【特許第5595991号】

・「シルエット表示」=障害物の陰に入ったキャラクターを表現する方法【特許第3637031号】

(編集部注:具体的な検証は今後進める予定です)

●任天堂は提訴の1年前に特許の訂正を実施、コロプラ側は争う姿勢

裁判のポイントになりそうなのが、任天堂が証拠としても提出している2016年8月の特許訂正。これは「ぷにコン」で問題にしている「特許第3734820号」の内容を改めたもの。

たとえば、もともと「プレイヤの操作に応じて指定される座標情報を出力するポインティングデバイスによって操作されるゲーム装置」だった定義が、「〜座標情報を主力するタッチパネル〜」といった具合に、「ぷにコン」を意識したと見られる変更が加えられる。

一方のコロプラ側は今年2月14日に答弁書を提出し、争う姿勢を示した。具体的な反論をする前に、任天堂に対して、白猫で使うスマホやタブレットなどが「ゲーム装置」に該当する根拠などを求めている(求釈明)。

●任天堂「法務部」はもう存在しない? 知的財産部に名称変更の可能性

訴訟に当たり、任天堂は「総務本部知的財産部」の社員5人(特許戦略グループ4人、知財法務グループ1人)による動画・画像つきの報告書を提出している。

ネットでは「任天堂法務部最強伝説」が流布しているが、報告書メンバーの所属先に「法務部」はなく、メンバーの名前を調べたが弁護士登録もなかった。任天堂は、弁護士ドットコムニュースが過去の訴訟を取り上げた際の取材に対して、「社内組織の詳細については、お答えしていません」としていたが、「法務部」という名称はすでにないのかもしれない。

裁判資料によると、2005年4月に「法務部 特許技術グループ」の名前が確認できるが、2007年11月には「知的財産部 特許技術グループ」という名称が存在している。期間中に「法務部」という部署名が変わった可能性がある。

●報告書には固有名詞たくさん、中身はユニーク

報告書の内容も興味深い。例えば、「ぷにコン」の挙動チェックでは、白猫のクエストモード第3章「Quest10-2 暴走兵士の大乱闘」を利用。理由はキャラを動かすのに適したゲーム空間があるから。報告書からは、検証のために悪戦苦闘(?)した様子もうかがえる。

「敵のいない状態で、プレイヤキャラクタを自在に移動させる操作を撮影できるように、ステージ上の敵と戦って、敵を全滅させることを試みたが、その途中でプレイヤキャラクタは、HP(体力)が0となって死んでしまった(00:02:13)。ゲーム内仮想通貨であるジュエルを使うことで(00:02:17)、プレイヤキャラクタを生き返らせた」

「チャージ攻撃」の検証では、「ピレント島」の「Quest1-2 ギシギシ橋を渡って」で「将軍コボルト」に対してチャージ攻撃をおこなった動作が例に挙げられている。それぞれの社員が、検証に最適なステージを選んでいる様子が伺える。

【2月22日】

「シルエット表示」についての説明を改めました。

(弁護士ドットコムニュース)

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