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食べ放題の品切れは許される? 「終了前なら仕方ない」「店の説明次第」と賛否
写真はあくまでイメージです(弁護士ドットコム撮影)

食べ放題の品切れは許される? 「終了前なら仕方ない」「店の説明次第」と賛否

食べ放題、「料理がなくなる可能性がある」と聞いてはいたけど、まさか本当にないとはーー。

先日、弁護士ドットコムニュースで、食べ放題トラブルについての記事(食べ放題なのにスカスカ、「料理がなくなる可能性」承諾してたけど許せない! https://www.bengo4.com/c_8/n_9486/)を掲載したところ、読者からたくさんのコメントが寄せられました。

記事で紹介したのが、都内のジンギスカン食べ放題に行った会社員のナナミさんの事例です。お店に入るときに「料理はない場合もあります。なくなったとしても補充しません」と言われて承諾したものの、サラダやデザートが全く残っていなかったため、ナナミさんが腹を立てたという話です。

この記事で、岡田崇弁護士は、(1)「客が注文した品物が出てこなかった」とか、(2)「客が注文した品物は出てきたが、著しく不十分な内容であった」という場合には、その責任は店側にあることを指摘しました。

ナナミさんの場合は、「仮に承諾していたとしても、ジンギスカン食べ放題なのにジンギスカンが売り切れていたのであれば(1)の債務不履行になる」「ジンギスカン以外のものが全部売り切れていたということであれば(2)の不完全履行になりそう」「ジンギスカン以外のメニューに占める割合が問題になるのではないでしょうか」と分析しています。

●「クレーマー」なのか「店がダメ」なのか

記事を読んだ読者からは、逆にナナミさんの怒りについて、疑問を呈する意見が寄せられました。

40代男性は「ランチタイム開始直後ならクレームは正当だと思うが、終了ギリギリならただのクレーマー」と批判します。

別の人も「『どのくらい残ってます?』と、確認しなかったナナミさんの自己責任だと思います」と指摘。「お店側としては迷惑なだけ」だと言います。

一方で、ナナミさんに賛同する声もありました。

「『食べ放題』とうたう以上、容易に料理がなくならないよう、十分な量を準備するのが常識でしょう」。

また50代男性は「ない場合がある」というのは言い訳だと指摘します。

「『ない場合がある』で料理不足の言い訳になるなら、『ない場合がある』と言っておいて最初から僅かな量しか用意しない、という悪質商法が許されてしまいます。『ない場合』というのは、来客数や消費量が予想を大きく超えた場合のみを言うのが普通でしょう」

20代男性は、特定の料理がないだけならともかく「サラダとかデザートとかのジャンル単位でないのはダメだろ」と、程度の問題だと言います。

●「客の気持ちを理解していない」

「ない場合もある」という店側の言い方が問題だったとみる人もいました。

ある人は、「都合よく解釈できる言葉で取り繕うのはサービスを提供する意思が無いと判断できる」と批判。サービスが提供できないならば「無い」と先に伝えるべきで、客が確認すべきことではないと断言します。

この意見に賛同する声もあがり、60代男性は「サービスをする事の本質の欠如です。お客の気持ちをあまり理解していないと思います」と、こうしたお店を避けることを提案していました。

「ない場合もある」と言われると、一部に品切れが出ているだけと思う人も多いかもしれません。お店側は状況を正確に伝え、お客側もトラブルを避けるために、きちんと確認する必要がありそうですね。

(弁護士ドットコムニュース)

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