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リムジンバス運転手「運転に集中できず危険」…乗客人数の記入廃止求める
会見に参加した鈴木正男書記長(左)ら(2019年6月5日、弁護士ドットコム撮影、東京都)

リムジンバス運転手「運転に集中できず危険」…乗客人数の記入廃止求める

羽田、成田の両空港と首都圏を結ぶリムジンバスを運行する「東京空港交通」(東京都中央区)の乗務員などが加入する「リムジンバス労働組合」は、6月6日から無期限に、会社から命じられている輸送人員明細表の記載を拒否するストライキを実施すると発表した。

東京・霞が関の厚労省記者クラブで6月5日、会見した鈴木正男書記長は「信号待ちしているときに記入せざるをえず、運転に集中できずとても危ない。会社は真摯に話し合って欲しい」と話した。

●「事故につながりかねない危険がある」

同組合によると、乗務員は各停留所で乗客の人数を記入することになっている。乗降場所での荷物の積み下ろしなどの業務もある中、路線によっては「大人」「子ども」「外国人」を見分けてカウントしなければならず、乗務員の大きな負担となっている。

さらに、運行ダイヤにも余裕がなく、とにかくバスを出発させることが最優先のため、明細表は信号待ちの間などに記入するしかなく、「事故につながりかねない危険がある」と話す。

組合は2014年に明細表の廃止を要求。2015年度中に明細表の廃止、改善をすることで合意したが、現在も明細表は多くの路線で残っている。組合はこうした会社の対応について2017年9月13日、労働組合法上の支配介入にあたるとして、東京都労働委員会に救済を申し立てている。

組合側は「発券システムや停留所で発行している乗車人員確認書を利用すれば、乗務員による明細表は必要ない」としている。会社側が必要とする理由はあいまいなままだという。

ストライキは組合に加入している乗務員64人が参加。明細表の廃止と休日出勤時の労働基準法遵守を要求し、会社側が要求内容を履行するまでストを実施する。

●「労働組合と団体交渉を通じて協議をしているところ」

東京空港交通は「会社としましては、労働組合と団体交渉を通じて協議をしているところです。説明を尽くして理解をいただきたいと思っております」とコメントした。

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