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「一緒にホテル入ったらOKなのか?」性的同意への理解、3人に1人が不十分…NGO調査でギャップ浮き彫り
文科省で会見するNPOヒューマンライツ・ナウ(2026年7月24日/弁護士ドットコム撮影)

「一緒にホテル入ったらOKなのか?」性的同意への理解、3人に1人が不十分…NGO調査でギャップ浮き彫り

「ホテルに一緒に入ったら、性的行為に同意したことになるのか」
「恋人や夫婦なら、毎回同意を確認する必要はないのか」

2023年の刑法改正で、強制性交等罪が「不同意性交等罪」となり、暴行や脅迫の有無だけでなく、相手の自由な意思による同意がない性的行為は処罰の対象であることが明確になった。

しかし、「性的な行為には常に相手の同意が必要」という考え方が広まりつつある一方で、ホテルへの入室など具体的な場面になると、約3人に1人が「常に同意は必要ではない」または「わからない」と考えていることが、NGOヒューマンライツ・ナウの意識調査でわかった。

同団体は7月24日、東京・霞が関の文部科学省で会見を開き、「性的同意は必要」という理念と、実際の判断・行動との間に大きなギャップがあるとして、教育や啓発の必要性をうったえた。

●ホテル入室や交際中でも「同意不要」が3割超

調査は6月17日、全国の18歳〜39歳の男女を対象に実施し、3000人から回答を得た。

「常に性的同意をとることは必要だと思いますか」と尋ねたところ、次のような場面では、「常に同意は必要」とは考えず、「いいえ」または「わからない」と回答した人が3割を超えた。

・ホテルに誘って相手が入室した場合
・相手が明確に拒否していない場合
・長期間交際・結婚している場合
・過去に性交経験がある相手の場合
・初めてキスをした際に相手が抵抗せず黙っている場合
・相手が自ら望んで家に来たときや、招かれた場合
・最初は抵抗していたが、抵抗を諦めた場合

●「態度や雰囲気で同意を判断」が4人に1人

性交への同意を判断する基準については、「『したい』『いいよ』など言葉で明確に同意を示している」と答えた人が68.17%だった。

一方で「態度や雰囲気から同意していると感じる」は24.13%、「恋人や配偶者などの関係性があれば同意していると考えることが多い」は19.37%だった。

また、相手が嫌そうな態度を示した場合に「すぐにやめる」と答えた人は58.23%、相手が曖昧な態度を示した場合に「明確な同意があるまで進めない」と答えた人は54.00%にとどまった。

●「Noと言えない状況」への理解不足も

調査では、「Noと言えない状況」への理解不足も浮き彫りとなった。

「密室など逃げられない状況」「嫌われたくないという心理」「仕返しへの恐怖」「飲酒による判断力の低下」などによって、拒否したくても「No」と言えないことがあると考える人がいる一方、「想定できない。嫌ならはっきり言うべき」と回答した人は42.03%だった。

また、2023年の刑法改正を「知らない」と答えた人は55.23%、「同意のない性交が犯罪となることを知らなかった」と答えた人も39.17%に上った。

●「YesもNoも言えない若者がいる」

この日の会見では、性的同意の普及に取り組む上智大学のサークル 「Speak Up Sophia」の共同設立者で、東京大学大学院博士課程のミーシャ・ケードさんが登壇した。

ミーシャさんは、自身が進める調査でも、多くの若者が性的同意の重要性は理解している一方、「相手との関係を壊さずに、どうやって同意を確認すればいいのかわからない」と感じている実態が見えてきたと紹介した。

また、「Noと言えない人」だけでなく、「Yesと言えない人」も少なくないという。

「『Yes』という気持ちを伝えると、『性的に積極的な人だ』と受け止められるのではないかという不安から、YesもNoも言えない若者がいます。嫌われたくないから我慢する人や、男らしさを見せようとして無理をする人もいます」

そのうえで、「性的同意は人権の問題です。相手の人権を尊重するためのコミュニケーションであり、多くの人に『自分の体は自分で決めていい』『したくないことはしなくていい』と知ってほしい」と呼びかけた。

●「同意はいつでも撤回できる」ハンドブック制作

こうした課題を受け、同団体の女性の権利プロジェクト・ユースチームは、性的同意について学ぶハンドブック「性的同意ってなんだろう?」を制作した。

ハンドブックでは、「明確な意思としての同意」「同意はいつでも撤回できること」「無理や圧力がないこと」「相手を尊重すること」の4つのポイントを紹介。

飲酒時や上下関係、ホテルへの入室など判断に迷いやすいケースや、性被害時に起こり得るサバイバル反応、相談窓口なども掲載している。

同団体の安田里菜さんは、「性的同意は大切という知識だけでは、具体的な行動には十分につながらない」としたうえで、「このハンドブックが、性的同意を抽象的な理念にとどめず、日々の関係の中で、お互いの意思と体を尊重するための対話と行動につながることを願っています」と話した。

この記事は、公開日時点の情報や法律に基づいています。

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