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医療現場、人手不足で「2交代制」が過去最多 うち6割が「夜勤16時間超」 医労連調査
東京・霞が関の厚労省記者クラブで記者会見した医労連

医療現場、人手不足で「2交代制」が過去最多 うち6割が「夜勤16時間超」 医労連調査

「2交代制」のシフトを取り入れている医療機関の約6割が、16時間以上の長時間夜勤をしているーー。医労連(日本医療労働組合連合会)が11月12日に発表した「2018年度夜勤実態調査結果」で、そんな実態が明らかになった。

東京・霞が関の厚労省記者クラブで記者会見した医労連の森田しのぶ・中央執行委員長は「命を守る現場にいながら、自分の命をなくすことがないようにしたい」と看護職員の増員と夜勤規制の必要性を訴えた。

●「2交代」病棟、過去最多

調査は医労連に加盟する組合などを通じて、全国の医療機関で24時間交代制勤務を行なっている医療機関を対象に調査票を送り、378施設が回答した。8時間以上の長時間勤務となる「2交代」病棟の割合は、39.2%となり、過去最多となった。そのうち59%の病棟が、1回の夜勤で16時間以上働く2交代制のシフトを取っていた。

調査では2006年以降、2交代制のシフトを取り入れる病棟が増え、年々割合が増加している。医労連の松田加寿美さんは「絶対的に看護師数が少ないことがあります」と指摘。看護師が少ないために、夜勤の回数を圧縮しているのが一因だという。

また、日勤と準夜勤と深夜勤の3種類にわかれる3交代制勤務であっても、十分な勤務間のインターバルが取られず過酷な勤務となり「3交代が辛いので、2交代がいい」と言う職員もいるという。

森田さんは「科によっては1回の夜勤に5人必要な病棟もあり、人手不足にさらなる拍車をかけている」とし、国際労働機関(ILO)が定めている基準に合わせた改善が不可欠だと訴えた。

(弁護士ドットコムニュース)

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