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サイゼリヤ、女性スタッフの自殺めぐる裁判が和解 セクハラの有無が争点
サイゼリヤ(記事中の店舗ではありません)

サイゼリヤ、女性スタッフの自殺めぐる裁判が和解 セクハラの有無が争点

飲食チェーン「サイゼリヤ」は4月12日、2014年冬に自殺した女性スタッフ(当時20代)の遺族が起こしていた訴訟で、和解が成立したことをHP上で発表した。「要望がほぼ採用された和解条項」になったため、和解に応じたとしている。和解成立は3月15日付。

遺族は、自殺の原因が男性副店長(当時)のセクハラにあり、周囲の人間もセクハラを止めなかったとして、副店長や店長(当時)、会社に加え、会長・社長を含む役員6人を訴えていた。

サイゼリヤの発表によると、女性は準社員だったが、正社員として勤務した場合と同等の弔慰金を支払う。和解条項には、会社がセクハラ防止教育に一層取り組むことも明記された。また、副店長も別途、弔慰金を支払う。

●副店長は性的関係を認める 「権力関係」を利用していたかが争点に

副店長は亡くなった女性との性的関係を認めていたため、権力関係を利用したセクハラだったかどうかが争点になっていた。

女性は亡くなっているため証言できない。遺族は、女性のパソコンに残っていた日記を根拠にセクハラを主張。会社のセクハラ対策も不十分だったと指摘した。この日記には、副店長について勤務中の距離感が近いことなどが記述されており、性的関係があった日には、苦痛や不快感が綴られていた。

一方、副店長は2017年12月20日にあった尋問で、日記の記述は事実と異なると語った。妻子がいるため関係自体は不適切だったと述べたが、女性から好意的なLINEのメッセージが届いていたことなどを示し、合意があったと強調した。

また、店長や当時の同僚は二人の関係には気がつかなかったと証言。会社側も十分なセクハラ対策をしていたと主張していた。

サイゼリヤは和解について「当社らの主張が概ね認められるとの認識に至った」としている。

(弁護士ドットコムニュース)

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