「子どもたちの夏休みが終わってから、自分の夏休みを取ろうかな」
夫からこう言われたという女性によるSNSの投稿に注目が集まっています。
投稿によると、共働きの家庭であることから、女性は小学生の子どもが長時間学童で過ごす負担を少しでも減らそうと、プール教室や習い事、実家への宿泊などを綿密に計画を立てていたそうです。
そうした中、夫が冒頭のように気楽な発言。女性は、思わず怒りが爆発したといいます。
この投稿には、多くの女性たちから共感が寄せられていました。
「うちは夏休みに限らず、年休もそうです。子どものことを頼んだら『せっかくの年休なのに』と言われ、『私なんて自分のために年休とったことはここ十数年ない』とキレました」
「日本の少子化の原因はこれだよね。父親が父親になれてない」
共働き家庭では、子どもの夏休み中の世話や学童・習い事の調整など、見えにくい育児負担が一方の親に集中するケースも少なくありません。夫婦で育児をどのように分担することが求められるのでしょうか。寺林智栄弁護士が解説します。
●育児は夫婦で協力して担うもの
夫婦が婚姻している間は、互いに協力し扶助しなければならない義務(民法752条)を負っています。
また、未成年の子どもについては、父母が共同して親権を行使することが原則であり(民法818条2項)、親権には子どもを監護し、教育し、健全に成長させる責任が含まれます。
そのため、子どもの夏休み中の世話や学童・習い事の送迎、学校との連絡調整といった育児は、本来いずれか一方だけが負うべきものではなく、夫婦双方が協力して担うべきものです。
もっとも、民法は家事や育児を具体的にどのような割合で分担すべきかまでは定めていません。実際には、勤務時間や収入、働き方、健康状態など、それぞれの家庭の事情に応じて柔軟に役割分担を決めることになります。
ただし、「外で働く人」と「家庭を支える人」という固定的な役割分担を当然の前提とするものではなく、見えにくい育児負担も含めて夫婦が話し合い、協力して子どもの利益を最優先に監護・養育していくことが、民法の趣旨にも沿う考え方といえるでしょう。
自分だけ夏休みをとりたいのであれば、事前に配偶者に相談して、夏休み中の育児をどう負担するか、話し合ってみることが大事です。