サッカーワールドカップ北中米大会は、いよいよ決勝戦を迎えます。
スポーツの国際大会や日本人選手の活躍は、日本中を熱狂させます。一方で、その熱狂に居心地の悪さを感じる人たちもいます。
弁護士ドットコムニュースが読者からエピソードを募集したところ、「試合を見ていないと非国民扱いされる」「深夜の騒音がひどい」といった切実な声が寄せられました。
●「見ない=非国民」同調圧力の苦痛
スポーツの話題で世の中が盛り上がる一方、興味がない人への風当たりは想像以上に強いようです。
特に目立ったのは、応援や観戦を当然のように求められる「スポーツハラスメント」とも言える体験でした。
「スポーツに一切興味がないのですが、日本代表が出る試合を見ていないと言うと『非国民!』などと言ってくる人は一定数いました。スポーツは必ず応援しなければならないというのは何ハラスメントと呼ぶのでしょう?」(40代女性・関東地方)
「好きじゃない側の人間を否定しないでほしい。サッカー見てなくても家事も仕事もできます。非国民じゃないです」(40代女性・関東甲信越地方)
●「興味がない」と言いづらい空気
「みんなが好きなのが当たり前」という空気に疲れるという声も少なくありませんでした。
相手に悪気がなくても、話題についていけず気まずい思いをしたり、連日のスポーツ報道にうんざりしたりする人もいます。
「世に生きる人全員が興味あると当たり前に思っていて、嬉しそうに話を振ってきます。愛想笑いしますが微妙な空気になります」(54歳女性・長野県)
「毎日毎日、野球や大谷にはまったく興味がないのに延々とテレビでどうでもよい話を流したり、職場で延々と興味のない話をされて非常に嫌な思いをしています」(30代女性・関東地方)
「親しい友人の中にはスポーツ観戦が大好きな人もいて、高いテンションのメッセージが送られてくることも。同じテンションになれず、どのように返事すべきかを考え、疲れます」(70代女性・兵庫県神戸市)
●深夜の歓声、学校欠席…生活への影響も
熱狂の影響は、職場や友人との会話にとどまりません。
深夜に試合がある大会では、近隣住民の歓声やテレビの音量に悩まされるという声もありました。
「隣近所の歓声?がうるさくて、大変騒がしい。網戸越しにテレビの大音量と騒いでいる大声が朝まで続く。こういうのは町内会とか自治会に言ったほうがいいのか?と迷います」(50代男性・東京都日野市)
また、観戦を理由に子どもが学校を休んだり、寝不足のまま登校したりすることに疑問を呈する意見もありました。
「なぜ親はそのままにするのだろう?疑問に思っても注意はできない世の中。これが果たして正しいのか?」(50代男性・東京都)
「ワールドカップ観戦のために学校を休ませ、子どもの学力に支障が出るような場合は、宿題を他の生徒より課すことで、自宅で学校の授業に遅れないようにさせる方法を取れば良いと思います」(50代男性・大阪府)
●熱狂も無関心も尊重できる社会へ
一方で、熱狂が行き過ぎて、選手や監督への誹謗中傷につながることを危惧する声もありました。
「選手、監督に対するSNSによる誹謗中傷をやめるべき。重圧の中で戦った選手、監督に対する称賛はあるにしても、心無い批判は削除するべきじゃないか?人権の問題でもあると思います」(60代男性・神奈川)
スポーツに熱狂する人もいれば、まったく関心がない人もいます。どちらも自然なことです。
最後に、多様な価値観を認め合うことの大切さを語った静岡県の60代女性の声を紹介します。
「他人のやることが気に入らない人もいると思いますが、まったく同じ人はいないんだから、他人を認める大きな気持ちを持てたら、みんなが優しくなって良いなと思います」