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ブラック企業大賞・電通「報道は何かに怯んでいるのではないか」実行委員が議論
ブラック企業大賞の授賞式後にシンポジウムが開かれた

ブラック企業大賞・電通「報道は何かに怯んでいるのではないか」実行委員が議論

「ブラック企業大賞2016」の授賞式が12月23日に開かれ、新入社員が過労自殺した大手広告代理店「電通」が大賞に選ばれた。授賞式後のシンポジウムでは、電通の労働問題をどうメディアが報じてきたのかがクローズアップされた。

ブラック企業大賞実行委員の水島宏明さん(ジャーナリスト・上智大学教授)は「電通はメディア各社にとって付き合いが密な企業だ」と指摘。「民放は断片的なニュースを伝えるだけで、深掘りするような報道は少なかったが、NHKは頑張っていた」「テレビは人の痛み・感情を伝えるメディアであるにもかかわらず、何かに怯んでいるのではないか」と批判した。

ブラック企業大賞は2012年から毎年1回開かれている。今年は電通の事件が注目を集めたことなどから、テレビ・新聞など複数の報道記者が来場していた。しかし、例年はそれほど大きく報じられることはなく、報道陣も少ない。

その理由について、水島さんは「報道機関にとっては、ノミネート企業のひとつひとつがスポンサーだったりする。そのため、実名報道にはかなり慎重になる」「長時間労働については、テレビ・新聞社が人のことをいえないという問題もある」と語った。

実行委員の竹信美恵子さん(ジャーナリスト・和光大学教授)は「マスメディアは報道機関であるとともに会社だ。(報道を増やすためには)視聴者・読者が成功イメージをもたせることが必要になってくる。視聴者・読者が(ブラック企業関連の報道について)『良い報道だ』といえば、自己保身にふれなくさせることができる」と話していた。

(弁護士ドットコムニュース)

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