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2015年08月22日 10時33分

リクルートが全社員対象の「在宅勤務制度」 長時間労働を防ぐ切り札になる?

リクルートが全社員対象の「在宅勤務制度」 長時間労働を防ぐ切り札になる?
写真はイメージです

リクルートホールディングス(HD)が10月から、全社員を対象に上限日数のない「在宅勤務制度」を導入すると報じられ、話題になった。一部のグループ会社にも適用して、まずは約2000人を対象にする。子育てや介護といった特別な理由がなくても利用できるという。

在宅勤務を選んだ社員は、重要な会議に出社する必要がある場合などを除き、自宅などで仕事ができる。社内との連絡には、電話やメール、テレビ会議を活用する。待遇については、通常の勤務体系と差をつけず、完全に成果で評価する方針だ。

同社は6月に約140人に試験導入したところ、4割以上で労働時間が減ったという。こうした働き方は長時間労働を改善する効果があるのだろうか。労働問題に取り組む波多野進弁護士に聞いた。

●労働時間が減る可能性、ただし不安も

「在宅勤務の利点としては、言うまでもないことですが、通勤時間が不要となるので、その分、仕事に要する時間は減ります。

また、必要性の低い会議などが減ることが予想されますから、労働時間が減る可能性はあると思います」

波多野弁護士はこのように述べる。長時間労働に悩む労働者にとっては、歓迎すべき制度ということだろうか。

「ただ、『完全に成果で評価する方針』という点には、不安を感じます。

会社に出社して働く従業員よりも、むしろ在宅勤務のほうが、成果を上げるために長時間労働に歯止めがなくなる危険があるように思います。

しかも、この制度を導入する使用者が『成果』や『在宅であること』を強調することによって、労働時間管理を、そもそも放棄したり、怠ったり、不十分になる危険をはらんでいると思います。

制度の運用によっては、むしろ、長時間労働や未払い残業代の問題、過労死、過労自殺の問題が助長される危険があると思います」

●従業員の労働時間を把握・管理する仕組みを

「そもそも、過労死や過労自殺の労災において、会社に出勤している労働者でも、平日や休日でも自宅に持ち帰って仕事を行った場合、自宅での持ち帰りの仕事に要した時間は労働時間と評価されます。

在宅勤務であっても、在宅での仕事に要した時間は、当然ながら労働時間となります。

使用者側が従業員の労働時間を把握・管理する仕組みと、長時間労働を防止する手立てをセットで導入することが必須といえるでしょう」

波多野弁護士はこのように指摘していた。

(弁護士ドットコムニュース)

取材協力弁護士

波多野 進弁護士
弁護士登録以来、10年以上の間、過労死・過労自殺(自死)・労災事故事件(労災・労災民事賠償)や解雇、残業代にまつわる労働事件に数多く取り組んでいる。
事務所名:同心法律事務所
事務所URL:http://doshin-law.com

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