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労組を結成したフリーのヨガスタジオ講師、仕事ゼロは不当 都労委命令
会見で語る金子まゆ美副執行委員長(右から2人目)

労組を結成したフリーのヨガスタジオ講師、仕事ゼロは不当 都労委命令

大手ヨガスタジオ「スタジオ・ヨギー」でフリーランスとして働くインストラクターでつくる「ヨギーインストラクターユニオン」は6月19日、厚生労働省で記者会見を開き、東京都労働委員会で、不当労働行為の救済命令が出たと発表した。会社が組合主要メンバーの担当クラスをゼロにしたことについて、削減したクラスの一部を再び割り当てることや、報酬相当額の支払いを命じた。命令の発出は6月1日付。

同社と業務委託契約を結ぶインストラクターたちは2019年、労組を結成。有料で認定資格を取得しないと、クラスを持てないという会社の方針の撤回を求めて、会社と団体交渉を重ねてきた。

コロナ禍の2020年には、4月に営業休止をし、6月には営業を再開したにもかかわらず、クラス総数は休業前の50%に削減され、特に組合主要メンバーはゼロになったことを問題視。仕事が事実上与えられないことについて、都労委に救済の申し立てをしていた。

都労委の決定では、業務委託のインストラクターは、会社の事業遂行に不可欠な労働力として事業組織に組み入れられていることや、業務委託契約の内容を一方的・定型的に決定されているなどとして、組合のメンバーは労働組合法の労働者にあたると認定。担当クラスがゼロになったことについて、資格が必須の担当分については、不当労働行為と認めなかったものの、それ以外については、「組合員であることや組合活動を行ったことを理由とする不利益取扱いに該当する」とした。

記者会見で、金子まゆ美副執行委員長は「(都労委に)労働組合として認められたことは一番うれしかった。6月に仕事を失ってから丸3年がたつ。嬉しい命令でありながらも3年は長かった」と振り返り、代理人の川上資人弁護士は「(組合活動は)会社との話し合いを通じて改善していくことにある。労組を毛嫌いせずに、認識を改めてほしい」と話した。

会社側が中央労働委員会に再審査を申し立てており、今後、中労委で争われることになる。

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