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2年間、仕事ナシで「社内失業」 病気から復職した男性を襲った苦しみ、対応法は?
せっかく復職できたのに(【IWJ】Image Works Japan / PIXTA)

2年間、仕事ナシで「社内失業」 病気から復職した男性を襲った苦しみ、対応法は?

「社内失業中」という男性が「病気が治ったのに仕事を十分にさせてもらえない」、と弁護士ドットコムに質問を寄せました。

相談者は、2年前に上司と仕事のストレスで鬱病で1カ月入院。復職すると「病気を治すために」という理由で、追い出し部屋のような個室に異動になってしまったようです。その後病気が寛解し、元の部署に戻りましたが「約2年間もほとんど仕事をさせてもらえなかった」と言います。

さらに、匿名通報による社内コンプライアンス調査でも、この問題が改善することはありませんでした。

相談者は「今後のキャリアのために気丈に振る舞っているが、仕事が出来ない状況は約2年も続き、このままでは再び鬱病になりそうです。状況改善のために、どうしたら良いでしょうか」と質問しています。

会社側の対応に法的な問題はないのでしょうか。また、社内で問題が改善しない場合には、どのような対応が望まれるのでしょうか。山田智明弁護士に聞きました。

●パワハラ指針で禁じられている2類型に該当

  「パワー・ハラスメントについては、法律で次のように定めています。

職場において行われる優越的な関係を背景とした言動であって、業務上必要かつ相当な範囲を越えたものによりその雇用する労働者の就業環境が害されること(労働施策総合推進法30条の2第1項)

そして、事業主に雇用管理上の措置義務を定めています」

ーー今回の相談例は「追い出し部屋のような個室に異動になってしまった」「約2年間もほとんど仕事をさせてもらえなかった」ということです

「厚生労働大臣の指針(労働施策総合推進法に基づく、通称『パワハラ指針』)では、パワハラの判断指標として6類型を例示しています。

相談者の事例は、次の2つの類型に該当します。

3番目の『隔離・仲間外れ・無視(人間関係からの切り離し)』 5番目の『業務上の合理性なく、能力や経験とかけ離れた程度の低い仕事を命じることや仕事を与えないこと(過小な要求)』

会社はパワハラを防止する措置義務に反するのみならず、民事上も損害賠償責任を負うため、労働者は会社に対して労働審判や民事訴訟等で損害賠償請求をすることが可能です。

また、現状の職場環境改善のために、労働組合に加入することで会社側と団体交渉をすることも考えられます」

この記事は、公開日時点の情報や法律に基づいています。

プロフィール

山田 智明
山田 智明(やまだ ともあき)弁護士 柏第一法律事務所
2008年弁護士登録。2013年、柏第一法律事務所を開設。一般民事を中心に業務をおこなっており、労働問題については労働者側の代理人として活動している。

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