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コロナショックは「リーマンを超えた」最大規模のホットライン、弁護士が労働相談
会見の模様(2020年3月26日、弁護士ドットコム撮影、厚労省記者クラブ)

コロナショックは「リーマンを超えた」最大規模のホットライン、弁護士が労働相談

新型コロナウイルスの感染拡大が経済活動を停滞させている。東京都をはじめ、各地で今週末の外出自粛要請が打ち出されたことで、さらに低迷に加速がかかりそうだ。早くも、コロナによる業績悪化にともなう労働者の雇い止めや休業補償の問題が生じている。日本労働弁護団は4月5日から「新型コロナウイルス労働問題 全国一斉ホットライン」を開設し、全国で弁護士の無料電話相談を順次受け付けていく。

●20年以上の歴史で最大規模のホットライン

日本労働弁護団は3月3日、東京・霞が関の厚労省記者クラブで会見し、ホットライン開設を発表した。幹事長の水野英樹弁護士によると、感染拡大とともに、労弁に所属する弁護士のもとにはコロナ関連の相談が急増しているという。

「労働弁護団によるホットラインはリーマンショックなどの問題を受けてこれまでにも開設されてきましたが、今回は20年以上の歴史で史上最大最多の全国32地域での実施です。それだけ各地の弁護士もコロナの問題が深刻なものだと受け止めています」と話す。

「突然収入がなくなった」「休業手当が払われない」「職場でのマスクの着用を認めてくれない」などコロナによって生じた様々な問題に対して、法律の専門家である弁護士が、労働者・労働組合側の視点に立ったアドバイスができることが強みだ。

●「契約や休んだ理由によっては100%の賃金を請求できる場合もある」

また、ホットラインと併せて活用できる「新型コロナウイルス感染症に関する労働問題Q&A」も労弁のホームページで26日に公開された。実際に寄せられた相談をベースに、細かい具体的事例への回答が示されている。

「すでに厚労省でQ&Aを作ったり、弁護士ドットコムでもQ&Aを公表されていると思います。

こちらは労働者・労働組合の視点で書かせていただいている。契約や休んだ理由によっては100%の賃金を請求できる場合もあるだろうと思っております。必ずしも法律ですべて解決するのではなく、状況に応じて使用者側と交渉することでより適切な解決をしていくことが求められる。そういう視点も盛り込んで書かれています」

労弁のQ&Aを参照すると、たとえば「感染拡大予防のために会社が休みになってしまいました。休みになっている間の給料は支払って貰えないのでしょうか?」という相談(Q)には、「会社に対して、賃金全額の支払いを求めるべきです」と回答(A)したうえで、法的な解説も記載されている。

なお、「新型コロナウイルスに関する働く者の問題についての連絡会議」が4月7日に、損保会館(東京都千代田区)で開催予定であることも発表された。日本労働弁護団の呼びかけによって、ナショナルセンターや日俳連など各団体が参加し、現場でどのような問題が生じているのか情報交換を行う。

「業務委託やフリーランスなど、セーフティーネットのない人たちが一気に仕事をなくして生活できなくなっている可能性がある。個人事業主として俳優さんにも影響あると思う」(事務局長の梅田和尊弁護士)

●ホットラインの開催要項

日本労働弁護団は、全国で4月5日から「新型コロナウイルス労働問題 全国一斉相談ホットライン」を開設する。弁護士が無料で相談に応じる(通話費用は要負担)

【日程(東京本部)】4月5日(日)午前10時~午後5時。所属弁護士約20人が新型コロナウイルス関連の労働問題について対応する。 【電話番号(東京本部)】03-3251-5363

同日以降、各地域(全国32か所)でも順次実施。自分の自宅や職場の該当する地域がない場合は、近隣のホットラインへの連絡が推奨される。日程確認は日本労働弁護団のホームページで。

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