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夫が勝手に「離婚届」を提出! 知らないうちに妻から「同居人」になっていました…これって犯罪ですよね?
写真はイメージです(Luce / PIXTA)

夫が勝手に「離婚届」を提出! 知らないうちに妻から「同居人」になっていました…これって犯罪ですよね?

「知らないうちに妻から同居人になっていた」――。SNSで最近、夫が無断で離婚届を提出し、住民票上の続柄が変わっていたという女性の投稿が注目を集めました。

同じような相談は、弁護士ドットコムにもしばしば寄せられています。中には、夫が妻に無断で離婚届を作成して提出し、その日のうちに別の女性との婚姻届まで提出していたというケースもあります。

相談によると、妻が異変に気づいたのは、離婚届の提出から約2カ月後。保険証が旧姓に変わっていたため戸籍を確認したところ、自分は離婚によって除籍されていたといいます。

本人に離婚する意思がないのに、配偶者が勝手に離婚届を作成して提出した場合、どのような犯罪にあたる可能性があるのでしょうか。

また、すでに離婚届が受理されてしまった場合、戸籍を元に戻すためにはどうすればよいのでしょうか。濵門俊也弁護士の監修のもと、解説します。

●勝手に離婚届を提出したら罪になる可能性

──夫が妻に無断で署名するなどして離婚届を作成し、役所に提出した場合、どのような罪に問われる可能性がありますか。

配偶者に無断でその人名義の離婚届を作成した場合、「私文書偽造罪」が成立する可能性があります。場合によっては、「有印私文書偽造罪」の成否が問題になります。

なお、現在の離婚届に押印は必須ではありません。任意となっています。行政手続きのデジタル化・見直しに伴い、2021年9月1日より戸籍法関連の手続きで押印義務が廃止されました。

さらに、偽造した離婚届を市区町村の窓口に提出すれば、「偽造有印私文書行使罪」が問題になります。

これだけではありません。

虚偽の離婚届が受理されると、戸籍には「離婚した」という事実と異なる内容が記録されることになります。そのため、「電磁的公正証書原本不実記録罪」や、その記録を公正証書の原本として使える状態にしたことによる「同供用罪」が成立する可能性もあります。

また、相談にあるように、無断で離婚届を提出した夫が、別の女性と婚姻した場合、重婚罪が成立する可能性もあります。

●本人に離婚する意思がなければ、離婚は無効

──勝手に提出された離婚届が役所に受理されていた場合、どうすればよいのでしょうか。

協議離婚が有効に成立するためには、離婚届を提出する時点で、夫婦双方に離婚する意思が必要です。

そのため、一方が離婚に同意しておらず、もう一方が勝手に離婚届を提出した場合には、相手方が後から追認しない限り、その協議離婚は無効です。

ただし、「無効なのだから何もしなくても戸籍が元に戻る」というわけではありませんので、別途、手続きが必要になります。

この記事は、公開日時点の情報や法律に基づいています。

プロフィール

濵門 俊也
濵門 俊也(はまかど としや)弁護士 東京新生法律事務所
当職は、当たり前のことを当たり前のように処理できる基本に忠実な力、すなわち「基本力(きほんちから)」こそ、法曹に求められる最も重要な力だと考えております。依頼者の「義」にお応えします。

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