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LINEで不倫相手に「抱きたい」 トーク画面「スクショ」も不貞の証拠に、注意点は?
こんなLINEを見つけてしまったら…

LINEで不倫相手に「抱きたい」 トーク画面「スクショ」も不貞の証拠に、注意点は?

最近の離婚裁判や不貞行為の慰謝料請求事件では、LINEなどのやりとりが証拠として提出されています。確実な証拠があれば、相手に言い逃れされることもないため、交渉も有利に進めることができます。

弁護士ドットコムにも、妻が不倫しているという男性が相談を寄せています。妻は不倫相手とのLINEで、「会いたい」「抱きたい」「服忘れている」などとメッセージを交わしており、男性は「証拠になるのか」と尋ねています。

また、妻からのモラハラにより離婚を考えている男性も「(トーク画面の)スクショも証拠として採用されるのか」と同様の質問を寄せています。

男性は離婚調停や裁判を起こすことを検討しています。相手からトークアプリで暴言やモラハラに当たる発言をされており、消される前にトーク内容の発言をスクリーンショットに撮ろうと思っているようです。

どのような方法でLINEの証拠を取れば価値が高い証拠として認められるのか。渡辺祥穂弁護士に聞きました。

●LINEは証拠として採用される

ーーそもそも、離婚裁判や不貞行為の慰謝料請求事件などで、どのような証拠がよく出されますか

離婚裁判の際に提出される証拠は、主張する離婚原因によりますが、メールやLINEのやりとり、写真が多い印象です。

不貞行為の慰謝料請求の場合は、調査会社、いわゆる探偵に依頼して撮った写真が多いと思います。

ーーLINEは証拠として採用されますか

証拠として採用され、裁判所が事実認定に使うこともあります。

例えば、不貞行為を理由とする慰謝料請求事件において、交際期間や不貞行為の有無、あるいは既婚者と認識していたか否か、夫婦関係が破綻していたか否かを立証するため等で証拠提出されます。

また、離婚事件では、不貞の立証、夫婦関係が破綻していなかったことの立証、暴言などの相手方の言動の立証等で証拠提出されることが多いです。

●トーク画面、落ち着いて撮影を

ーーどのような方法でトーク画面の証拠を確保するのが良いのでしょうか

相手方から自分の携帯電話ではない、改ざんされている等と反論されることを防止するため、やり取りが残されている携帯電話全体が写るように、ご自身の携帯電話等で撮影してください。

また、携帯電話全体を写すことだけでなく、やり取りの内容がきちんと読み取れるように写すことが大切です。ブレたりピンボケしたりしないよう、落ち着いて撮影しましょう。

ーー相談を受けてから、LINEなどの証拠を取るよう伝えたような事案はありますか

あります。まったく証拠がない場合は、相手方が否定すればそれまでですので、交渉に入る前にできる限りの証拠を収集するようお伝えします。

その一つとして、不貞をうかがわせるやり取りを撮影するようお伝えすることもあります。

●できるだけ多くの証拠を集めよう

ーーそのほか気をつけるべき点があれば、教えてください

不貞行為をうかがわせるやり取りは全て撮影しましょう。やりとり全体の印象から不貞が認定される可能性があります。

また、送受信の日付や時間がわかるように撮影することや、やりとりの前後関係がわからなくならないよう、ひとつの画面に収まらない場合は前後が少し重複するように撮影することも大切です。

配偶者にデータを消去されたり、ご自身が誤って削除したりする場合を想定してバックアップを取っておきましょう。

また、プロフィールなど不貞相手を特定できる情報も可能な限り撮影しておくことも重要です。

ひとつの証拠だけでは立証したい事実の認定が難しい場合でも、総合的な判断として立証したい事実が認定されることがあります。できるかぎり多くの証拠を集めましょう。

プロフィール

渡辺 祥穂
渡辺 祥穂(わたなべ さちほ)弁護士 弁護士法人丸の内ソレイユ法律事務所
大学では発達臨床心理学を専攻、幼児教育や母子関係について学び、企業勤務を経て弁護士に。離婚、不貞慰謝料、養育費などのほか、企業の労務問題まで幅広く相談対応している。

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