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DeNA筒香が苦言 「勝利至上主義」は子どもの将来つぶす、甲子園の「悪」にも言及
会見する横浜DeNAベイスターズの筒香嘉智選手

DeNA筒香が苦言 「勝利至上主義」は子どもの将来つぶす、甲子園の「悪」にも言及

横浜DeNAベイスターズの筒香嘉智選手は1月25日、日本外国特派員協会(東京都千代田区)で会見を開いた。勝利至上主義のもと、指導者が「良かれ」と思って厳しく指導することで子どもが肘や肩を痛め、将来をつぶされているとし、「球数制限」の導入など大人がルールを整えて子どもの将来を守る必要性を訴えた。

●「大人の都合が優先されている」

日本のプロ野球は、一度負けたら終わりのトーナメント形式ではなく、数カ月かけてリーグ形式で行われている。一方、子どもたちはほとんどがトーナメント形式で野球をしており、指導者は子どもの将来のことよりも、「目先の勝利」にこだわっていると問題視した。

筒香選手は「子どもの将来的な活躍より『今を勝つ』という勝利至上主義。指導者が『勝つのはいいこと』と良かれと思ってやっていることが、実は子どもたちにとって負担になっているということがあると思います。

僕自身も勝つことを否定しているわけではない。勝つ喜び、負けて悔しがることは必要だと思いますが、子どもの将来がつぶれてしまうということが起きている。子どもが優先されないといけないのに、大人の都合が優先されているのではないかと思います」と述べた。

筒香選手は、スポーツ整形外科が専門の古島弘三医師が以前行った「U-12侍JAPAN代表」に対する肘エコー検査の結果を示し、「内側障害」(野球肘)の状態が15人中10人(67%)だったことを紹介。同じ調査をドミニカ共和国でしたところ224人中41人(18%)にとどまったとした。

●「甲子園は、高校野球の部活」

また、自身が子どもたちの練習や試合を見る機会があり、そのなかで、子どもができなくて当たり前なことに対し、指導者が暴言を浴びせている現状があると指摘。「暴言をやめ、指導者の頭の中が常にアップデートされ、時代に即した野球指導がされる必要があります」と話した。

高校野球の問題についても言及した。甲子園ではエース投手の連投が続き、まだ体が発展途上の高校生にかかる負担を考えて、「球数制限」を導入すべきとの声が度々出ている。

筒香選手は「甲子園は、高校の部活」と指摘したうえで、こう述べた。

「高校の部活で大きなお金が動いたり、教育の場と言いながらドラマのようなことを作ることもあります。新聞社が高校野球を主催しているので、全部が悪いとは言いませんが、高校野球の悪というか、子どもたちのためになっていないことを伝えきれていないと思います」

(弁護士ドットコムニュース)

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