少なくとも1回以上着用して、洗濯していない「使用済み下着」がインターネット上で、はばかりなく売られている。もちろん、売る人・買う人がいるから、そんなマーケットが成立しているわけだが・・・。その取り引きは、男性の下着にも広がっている。
ある「使用済み下着」の販売サイトでは、女性の顔写真とともに「脱ぎたて」「◯日着用」「ムレムレ」などの言葉がおどる。およそ2000〜4000円ほどで販売されている。また、同じような男性下着の販売サイトもある。いずれも、数日間着用したものが人気のようだ。
購入者と販売者を仲介するサイトでなく、SNS上で「使用済み下着を売ります」と呼びかけている人もいる。このように「使用済み下着」を販売する行為は、法的に問題ないのだろうか。西口竜司弁護士に聞いた。
●個人の趣味趣向の問題?
「なかなかコメントするのが悩ましいテーマになりますね・・・。基本的には『契約自由の原則』ですので、ただちに違法とは考えにくいところです。要するに、個人の趣味趣向の問題ということになるでしょう」
西口弁護士はこう述べる。それでは、違法にならないということだろうか。
「18歳未満の『使用済み下着』の売買については、別の話になってきます。青少年を守るという見地から、都道府県によっては、青少年保護育成条例を定めています。
たとえば東京都の条例は、青少年が一度着用した下着を買い受けたり、売却の委託を受けたり、売却するように勧誘することなどを規制しています。ただし、『販売』は規制されていません」
ほかの法律には触れたり、問題はないのだろうか。
「もし、商売として続けるような場合、古物営業法による規制があります。一度着用した下着は『古物』に該当しますので、都道府県公安委員会の許可が必要となります。許可なく販売すると、刑事罰の対象になってしまします。
以上のような条例・法律に抵触しない場合、法的な問題はないといえます。しかし、下着の売買が原因となって、犯罪やトラブルに巻き込まれる可能性もあります。安易に下着を販売することは危険であるということは、頭の片隅に置いておいてください」