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大阪府のギャンブル依存症啓発動画に批判の声→非公開に…支援団体は「若者に誤ったメッセージが伝わる動画だ」と指摘
違法オンラインギャンブル等対策啓発動画「ギャン太郎」

大阪府のギャンブル依存症啓発動画に批判の声→非公開に…支援団体は「若者に誤ったメッセージが伝わる動画だ」と指摘

オンラインカジノなど違法ギャンブルの危険性を啓発するため、大阪府が高校生や大学生ら若者に向け、昔話の「桃太郎」をモチーフにした動画をYouTubeに公開した。

しかし、この動画について、依存症の実態を理解していない内容だとして、支援団体などが反発。公開停止や是正を求める要望書を1月中にも大阪府に提出する動きを進めている。

動画は1月28日午後8時現在、非公開となり、視聴できない状態となっている。

●ギャン太郎がギャンブル依存症に→あっさり解決?

大阪府が公募し、選定された広告代理店によって制作された動画では、高校生の「ギャン太郎」が安易な金銭欲からオンラインカジノなどのギャンブルにのめり込み、借金や依存症に陥っていく過程が描かれる。

一方で、カウンセリングを受けることで、比較的あっさりと問題が解決する様子も表現されている。

この点について、「ギャンブル依存症問題を考える会」代表の田中紀子さんは、依存症への適切な理解に基づいて制作されたとはいえないと指摘する。

弁護士ドットコムニュースの取材に対して、主な問題点は3つあると語った。

●無理解と偏見助長を助長しかねない「3つの問題点」

1つ目は、ギャン太郎が「楽して生きる人生見つけたかもしれん」と語り、スポーツ賭博に手を出す描写だ。

田中さんは、依存症当事者を「安易な金銭欲に流される人物」として描くことが、誤ったステレオタイプを強化し、偏見を助長しかねないと懸念する。

2つ目は、依存症の克服の糸口として「自分の中の鬼に勝つこと。それがほんまの”退治”や」といった精神論的なメッセージが強調されている点だ。

「依存症は、根性論や精神論で克服できる病気ではありません。あの手この手でオンラインカジノに誘導する事業者側こそが”鬼”ではないでしょうか」

3つ目は、一度の相談によって解決するかのように描かれていることだ。

「依存症の治療や回復は、長期にわたり根気良く取り組む必要があり、その深刻さを軽視されてしまうおそれがあります」

●「依存症は簡単に治る」と若者に伝わってしまうことは危険

田中さん自身も、この動画制作のコンペに応募していたが、落選したという。審査員の中に依存症への理解をもつ専門家がいなかったとし、専門的な知見が十分に反映されていないと指摘する。

「依存症は『簡単に治る』といった誤ったメッセージが若者に伝わることは危険です」

田中さんは、依存症の専門医や研究者の賛同も得たうえで、1月31日にも大阪府へ要望書を提出しようとしていた。

その後、問題となった動画は非公開となり、現在は視聴できなくなったことから、今後も公開されないことを求める予定だという。

この記事は、公開日時点の情報や法律に基づいています。

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