横浜市や東京都町田市で2024年11月、バイクで移動しながら通行人をヘルメットなどで次々と殴り、金品を奪った若者4人組による連続強盗事件。
この事件を含む計16件で、強盗致傷罪や窃盗罪などに問われている松本直人被告人の裁判員裁判が7月13日、横浜地裁であった。
検察側は「犯行に常習性があり、きわめて悪質な態様で、再犯の可能性も高い」などとして、懲役15年を求刑した。
一方、弁護側は「犯行当時20歳と若年であり、本人も反省している。更生の可能性を考慮してほしい」などとして、懲役8年が相当だと主張した。
●共犯者は懲役11年、争点は量刑に
検察のこれまでの立証によると、松本被告人は2024年10月から12月にかけて、友人の高橋瑠己(るき)受刑者や後輩の少年らとともに、連続路上強盗のほか、神奈川県内や都内のコンビニ、リユースショップ、質店での窃盗に関与。さらには、高橋受刑者とともに、ウーバーイーツ配達員を襲った。
路上強盗では、ヘルメットで頭を殴られ、全治約半年の重傷を負った被害者もいた。一連の被害総額は300万円に上るという。
共犯者だった高橋受刑者は今年3月、懲役11年の判決が確定している。
松本被告人は起訴されたすべての事件について事実関係を認めており、公判では量刑が争点となっている。
●検察「常習性があり、きわめて悪質」
この日の論告で検察側は「金を奪う目的で、後輩の少年A(保護観察処分)らを使って窃盗を繰り返したうえ、少年を実行役に強盗致傷事件を起こし、その後は自ら実行役となった。犯行には常習性があり、自己中心的で短絡的、きわめて悪質な態様」と厳しく批判した。
また、松本被告人について「年長者であり、自らを安全圏に置いて、少年らに犯罪を実行させていた。一連の事件で指導的な立場で関与していたことは明らか」と主張した。
さらに、複数の強盗致傷事件では、被害者が受けた身体的・精神的被害は重大であり、被害弁償もされていないと指摘した。
松本被告人は少年時代にも恐喝事件で保護観察処分を受けていたことから、「更生の機会はあったが、法律を守ろうとする態度が見られない」などとして、若年ながらも再犯の可能性は高いと述べた。
●弁護人「指導的立場にはなかった」
これに対して、松本被告人の弁護人は「事件数は多いが、罪を重ねて刑を重くする発想は法律にはない」と述べ、懲役8年が妥当だと主張した。
弁護人は、主に実行役をつとめた少年Aが「松本被告人に指示された」と主張している点について、「少年Aは松本被告人から暴力を受けたことを恨んでいる」として、その証言は重視されるべきではないと反論した。
また、グループ内では、松本被告人と高橋受刑者は対等な立場であり、少年Aに無理やりやらせたわけではないとして、「指導的立場にはなかった」と主張した。
被害者らには謝罪の手紙を送ったものの、受け取りは拒否されているという。弁護人は「謝罪の意思はある」と述べた。
●被告人「しっかり罪を償っていきたい」
最後に松本被告人は、法廷で次のように述べた。
「被害者の方には本当に申し訳ないことをしたと反省しています。今後、しっかり罪を償っていきたいと心から思っています」
判決は7月16日に横浜地裁で言い渡される予定だ。