プロ野球・阪神タイガースの佐藤輝明選手が9月28日のヤクルト対阪神戦の試合後、グラウンド上で記者がいる方に向かって話してかけている様子を撮った動画がネットで拡散され、波紋を呼んでいる。
ネットで複数あがっている動画では、複数の記者に囲まれた佐藤選手が球団関係者とみられる人物に促されてグラウンドから引き上げようとしたところ、振り返って何か言葉を発しつつ引き返し、一人の記者とやり取りする様子が映っていた。
この動画がネット上で「てるちゃんキレてた」「あの記者は誰だ」などと指摘され話題に。経緯は不明だが、この記者がデイリースポーツの阪神担当だとされ、「佐藤選手が記者に対して怒って口論となった」とする情報が動画とともに拡散されたようだ。
この件に対し、デイリースポーツは9月30日、「弊社の記者に関する動画について」と題するリリースをホームページ上で発表。「弊社の記者が失礼な質問をし、口論となった事実は一切ございません。上記の動画は、弊社の記者が佐藤輝明選手から質問を受け、説明を行った場面の録画に過ぎません」とし、「完全に事実無根のものです」との見解を明らかにした。
●デイリーの記事タイトルをめぐる会話だった?
もっとも、デイリースポーツのリリースでは、佐藤選手から質問を受け、記者が説明を行ったやり取りの内容までは明かされていない。
FRIDAYデジタル(10月1日)は、9月28日当日の試合で、二塁打で出塁した佐藤選手が別の選手のライナー性の打球で帰塁できずアウトになったことに関する記事での取り上げ方についてやり取りがあったのではないかと報じている。
デイリースポーツは当初、この場面について、「阪神 佐藤輝明が二塁打も痛恨走塁ミス 梅野のライナーで飛び出し併殺 岡田監督は厳しい表情 ライナーバックが求められる状況」とのタイトルで報じたようだ。
しかし、試合後に岡田彰布監督が佐藤選手の走塁はサイン通りの動きであることを明かしたことを受け、記事のタイトルを「阪神 佐藤輝明が二塁打も 梅野のライナーで飛び出し併殺 岡田監督『ゴロゴーよ』『ライナー打つのがアカン』」に変更したという。
FRIDAYデジタルの記事では、「『デイリーの憶測によって戦犯扱いされたサトテルが、記者へ報道に対する不満を伝えた』というのが真相」で、「デイリーの記者が『佐藤選手のエラーで試合を落とした試合があったがどう思うか』と聞いたことに佐藤が怒った、という情報がX上で拡散されていましたが、これはファンの憶測による悪質なデマ」としている。
●デイリースポーツの見解
デイリースポーツの担当者は、弁護士ドットコムニュースの取材に対し、「ホームページで公表した見解がすべてです。取材の経緯などについてはお示ししていません」と回答。記事タイトルの変更についても「取材の経緯になるので」とし、変更の有無を含め詳細を明かさなかった。