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物損事故

物損事故の損害賠償や人身事故との違い・慰謝料や過失割合の注意点

車を運転していると、いくら注意深く運転していても、交通事故に巻き込まれてしまうこともあるでしょう。相手の不注意や危険走行のために、大事な車が損傷してしまってはたまりません。しかし、場合によっては被害者であるあなたの方が支払額が大きくなってしまうことさえあるのです。ここでは、物損事故で請求できる内容や注意点を説明します。

目次

  1. 物損事故で請求できる損害
  2. 人身事故との違いと慰謝料
  3. 車両の損傷
  4. 代車料
  5. 休車損害
  6. 物損事故と過失割合

物損事故で請求できる損害

物損事故を起こされてしまったら、その被害相当額を相手に請求することが可能です。物損事故で請求することができるのは、以下の三つの損害です。

  • 車両の損傷
  • 代車料
  • 休車損害

人身事故との違いと慰謝料

物損事故では慰謝料を請求できないのでしょうか。残念ながら物損事故では慰謝料を請求することはできません。そもそも慰謝料とは、精神的な苦痛に対する金銭での埋め合わせであり、物損事故の場合には精神的な負担は少ないと考えられるのです。

慰謝料だけでなく、治療費なども請求することができません。また、物損事故では加害者には刑事処分も行政処分も下されないことが多いのです。

そのため、加害者としてはどうにかして物損事故にしたいと考えますが、被害者にとってはデメリットしかないため応じてはいけません。事故後に痛みを感じたら、すぐに人身事故へ切り替えましょう。

人身事故への切り替え方

追突事故などでは、むち打ちの自覚症状が事故から数日後に発症することも多いでしょう。そのような場合には、できる限り早く通院し、診断書を作成してもらうことが重要です。

事故から通院まで時間が空いてしまうと、事故と怪我の関連性が認められなくなる可能性もあるので注意が必要です。診断書を作成する際は、警察に提出する旨を伝えると、提出用の診断書を作成してもらえます。

診断書を警察に届ければ人身事故への切り替えは完了ですが、治療費や慰謝料を請求するためには、更に「人身事故証明入手不能理由書」というものを保険会社に提出する必要があります。

物損事故では「交通事故証明書」が発行されないため、なぜ証明書が入手できなかったのかを説明する書類となります。保険会社の担当者から用紙が届くので、理由を記入し提出しましょう。

車両の損傷

さて、人身事故とならずに、物損事故となった場合の損害賠償を見ていきましょう。

車を運転していて事故を起こされた場合には、ほとんどのケースで車両に損傷が生じ、修理費が発生します。修理費の請求は、車両が「全損」かどうかがポイントとなります。

全損とは、車両が修理不能か、修理費が時価を上回ることを言います。全損の場合には、事故直前の交換価格と車両を売却した差額が賠償額となります。全損でなければ、修理することが妥当と考えられるため、修理費に相当する金額が賠償額となります。

評価損も考慮される

修理によって損傷が修復しても、事故歴や修理歴が残って売却時に低額になってしまったり、そもそも修理しても元通りの状態に修復できない場合もあるでしょう。そのような場合には「評価損」を算定して、賠償額に含めることとなります。

しかし、評価損の算定は難しく、争いになるケースも少なくありません。高級車の場合などは金額も大きくなるため、トラブルとなった場合は弁護士に相談した方がよいでしょう。

代車料

事故によって車の修理や買替えが必要となれば、一定期間は代車が必要となる場合もあります。代車を使用し、使用料が発生した場合には、「代車料」として加害者に請求することが可能です。

ただし、被害者が他にも車を所有しており、代車の必要性がなければ認められません。また、事故者と同種、同年代といった同程度の車を使用した場合に相当する金額が認められます。

タクシーの使用も代車料に認められますが、上記の通り、代車相当の範囲を超えて請求することはできないのです。

休車損害

仕事中に営業車両で事故に遭うこともあります。修理や買替え期間に営業活動ができず、損害が生じた場合には、その金額を「休車損害」として請求することができ、次のように計算します。

休車損害 = 1日当たりの損害額 × 休車期間

ただし、1日当たりの損害額の算定方法や休車期間については争点となるケースも多く、金額が大きくなる場合には、裁判にまで発展するケースもあるでしょう。

また、事業者側が営業車両を余分に所有している場合や、代車料が認められた場合には、休車損害は請求することができないことにも注意が必要です。

物損事故と過失割合

物損事故の損害は加害者に請求することができますが、過失割合にも十分に注意が必要でしょう。車同士の事故の場合には、信号待ちでの追突事故など、一方の過失が明らかな場合を除いて、被害者側にもある程度の過失が認められてしまう場合が多いのです。

双方に過失がある場合には、相手から損害賠償を受けるだけでなく、自身も相手に損害賠償を支払う必要があり、その金額の差分だけしか受け取ることができなくなります。

例えば、相手とあなたの過失割合が7対3で、損害額がそれぞれ50万円と100万円だとしたら、相手の賠償責任は「100万円 × 7割 = 70万円」、あなたの賠償責任は「50万円 × 3割 = 15万円」となります。この場合は最終的にあなたが差額の55万円だけ受け取り、修理費100万円のうち残りの45万円は自腹となってしまうのです。

さらに、相手が高級車のケースなどでは、相手の損害額が大きくなり、被害者であるはずのあなたの支払額の方が大きくなる場合もあるのです。

物損事故の被害に遭ったら、その損害額は加害者に請求することができますが、金額の算定は難しく、過失割合でトラブルとなることも多いでしょう。金額が大きい場合には、示談で決める前に、一度弁護士に相談することをおすすめします。

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