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民営鉄道協会、初の「カスハラ対策」基本方針を発表、SNS無断公開も対象に
駅の改札(イメージ画像、bee / PIXTA)

民営鉄道協会、初の「カスハラ対策」基本方針を発表、SNS無断公開も対象に

全国70以上の鉄道事業者で作られる「日本民営鉄道協会」は12月14日、「民営鉄道業界におけるカスタマーハラスメントに対する基本方針」を作成し、発表した。

協会によるカスハラに関する方針はこれが初めてとなる。駅の窓口で駅員を怒鳴りつけることや、人格否定の発言など、客からの「カスタマーハラスメント」に該当する著しい迷惑行為の増加を背景に作られたという。

具体的なカスハラとして、基本方針には「SNS等による同意ない音声・映像の公開」も盛り込まれた。

今後、加盟各社など鉄道業界にカスハラ対策の取り組みが進むことが期待される。

●「直接的な暴力」だけでなく、カスハラ問題にも本格的に取り組み始める

協会によると、基本方針は厚労省のマニュアルや加盟各社の声などを受けて作られたという。

「民営鉄道協会では実際に殴られるなど直接的な暴力を受けたとわかることについては、実数を集めて、数字を公表したり、対策としてポスターを掲示したりするなどしてきました」

「カスハラに関して厚労省が2022年に企業向けマニュアルを作成し、企業や警察でも基本方針を作る動きが広がっています。鉄道業界においても物理的な暴力(第三者暴力行為災害)などの被害だけでなく、口頭での暴言などの被害が駅・窓口業務でも発生しているため、基本方針が必要と考えられました」

基本方針では、カスタマーハラスメントを次のように定義した。

「顧客からのクレーム・言動のうち、内容の妥当性に照らして、当該要求を実現するための手段・態様が社会通念上不相当なものであって、当該手段・態様により、従業員の就業環境が害されるもの」

具体的には、 身体的・精神的な攻撃や執拗な要求、性的な言動、従業員個人への攻撃・要求などの他、SNS等による同意ない音声・映像の公開もカスハラの「対象になる行為」として示された。

また、加盟各社に向けて、カスハラへの対応の具体化も求めている。

協会は弁護士ドットコムニュースの取材に「業界としてカスハラへの基本方針をつくり、鉄道各社でも対策を整理していくことが期待されています」と語る。

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