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内閣の臨時国会の召集義務をめぐる違憲訴訟 「訴え不適法」再び憲法判断回避、東京高裁
会見する弁護団(2022年2月21日、都内、弁護士ドットコムニュース撮影)

内閣の臨時国会の召集義務をめぐる違憲訴訟 「訴え不適法」再び憲法判断回避、東京高裁

野党側が臨時国会の召集を求めたにもかかわらず、当時の安倍内閣が約3カ月応じなかったことが、憲法に違反するかどうかが争われた訴訟の控訴審判決で、東京高裁(相澤哲裁判長)は2月21日、一審判決を支持し、控訴を棄却した。

憲法53条後段は、いずれかの議院の総議員の4分の1以上の要求で内閣が召集を決定しなければならないと定めている。原告の小西洋之参院議員(立憲民主党)は、同条に基づき内閣は20日以内に臨時国会を召集する義務を負うことなどの確認を求め提訴していた。

東京高裁は、臨時国会の召集要求権は国会議員という国の機関の権限だと指摘。国会議員としての活動が憲法で保証されているからといって、ただちに個々の国会議員が召集要求権を主観的な権利または利益として有しているわけではないとした。

小西議員の確認を求める訴えについては、国会議員と内閣との間の紛争であり、訴えの提起を許す法令の規定がないため不適法だとした一審判決と同様、裁判所の審判の対象とはならないとした。

判決後に開かれた会見で、小西議員の代理人を務める伊藤真弁護士は「原告や国民に説明しようという気がまったくない判決。司法が政府の憲法無視を黙認してしまい、役割を果たしていない」と批判した。

同代理人の賀川進太郎弁護士は「最高裁では大法廷に回付して憲法判断をしてもらいたい」と話し、上告するつもりであることを明らかにした。

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