2019年01月09日 09時57分

香港・九龍のビル屋上から「紙幣ばらまき」、日本だったら罪に問われない?

香港・九龍のビル屋上から「紙幣ばらまき」、日本だったら罪に問われない?
画像はイメージです(Caito/PIXTA)

香港・九龍の古い住宅が建ち並ぶ地区で昨年12月中旬、ビルの屋上から、大量の紙幣がばらまかれるという騒ぎがあった。紙幣を拾う大勢の人が殺到して、交通秩序が乱れて、警察が出動する事態にまで発展した。

報道によると、ばらまかれた紙幣の総額は、約290万円(20万香港ドル)とみられる。現地警察は12月16日、紙幣をばらまく様子をネット上に投稿した男性を公共の場の秩序を乱した疑いで逮捕した。男性は、仮想通貨ビジネスで財をなした実業家という。

日本でも2003年のクリスマスイブ、名古屋テレビ塔の展望台から、株で儲けたという男性が1ドル紙幣などを大量にばらまく騒ぎがあった。この男性は警察から「厳重注意」を受けたということだ。紙幣のばらまきは、何らかの罪に問われることはないのだろうか。鬼沢健士弁護士に聞いた。

●ばらまき行為そのものは罪にあたらない可能性

「これはとても難しい問題です。

まず、廃棄物を不法投棄したとして、廃棄物処理法違反の罪になりえるか、と考えてみました。しかし、紙幣が廃棄物処理法上の廃棄物(紙くず)にあたるといえるかは、疑問が残ります。各都道府県の迷惑行為防止条例にも違反するような条文は見当たりませんでした。

また、公共の場を管理する業務を妨害したとして、公務執行妨害罪や業務妨害罪なども考えられますが、紙幣をばらまくことは暴行や脅迫、威力などにあたるとはいえません。したがって、これらの罪も成立しないと考えられます。

ばらまくこととは少しずれますが、貨幣を損傷することを取り締まる法律はあります。しかし、紙幣の損傷を取り締まる法律はありません(他人の紙幣を損傷すれば、器物損壊にあたる可能性があります)」

●路上だった場合、道路交通法違反にあたる可能性

ばらまいた先、つまり、ビルの下が路上だったらどうだろうか。

「紙幣が大量にばらまかれれば、相当な人数が集まることが予想されます。そうすると、交通の危険や妨害となることは否定しがたいでしょう。

道路交通法76条4項に規定されている禁止行為にあたると考えられます。具体的には、同7号『前各号に掲げるもののほか、道路又は交通の状況により、公安委員会が、道路における交通の危険を生じさせ、又は著しく交通の妨害となるおそれがあると認めて定めた行為』にあたると考えられます」

(弁護士ドットコムニュース)

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鬼沢 健士弁護士
交通事故、労働、家事問題(離婚・相続)を取り扱う。
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