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東大元教授らの高額接待、内部通報がなければ見抜けず…総長が謝罪、倫理規定違反と認定 ガバナンス強化へ
左から国廣正弁護士、藤井輝夫総長、相原博昭理事・副学長(2026年1月28日/東京都文京区の東大本郷キャンパスの安田講堂/弁護士ドットコム撮影)

東大元教授らの高額接待、内部通報がなければ見抜けず…総長が謝罪、倫理規定違反と認定 ガバナンス強化へ

東京大学大学院の元教授らが、共同研究をめぐり民間業者から風俗店や飲食店などで高額な接待を受けていたとされる汚職事件で、東京大学は1月28日、安田講堂で記者会見を開いた。

外部の弁護士による調査の結果、大学の倫理規定に違反する不適切な行為があったと認定したことを明らかにした。

藤井輝夫総長は「社会の信頼を著しく損ねた」と謝罪。発覚のきっかけは、当事者からの内部通報であり、大学組織として見抜くことはできなかったと認めた。

東大では、メーカーから賄賂を受け取ったとして別の医師が昨年11月に収賄罪で起訴されるなど、汚職事件が相次いでいる。一連の問題を受け、大学側は再発防止に向けたチェック体制やガバナンス強化に取り組むとしている。(弁護士ドットコムニュース編集部・塚田賢慎)

●汚職事件として元教授らが逮捕、書類送検

画像タイトル 会見冒頭に頭を下げた

社会連携講座の出資者で、共同研究契約を結んでいた協会から、計180万円相当の違法な接待を受けたとして、警視庁捜査2課は1月24日、東京大学大学院医学研究科の元男性教授を収賄容疑で逮捕した。

また、元教授のもとで研究していた元特任准教授の男性医師と、一般社団法人「日本化粧品協会」の男性代表理事についても、それぞれ収賄と贈賄の容疑で、同月26日に書類送検した。

協会の代表理事は、2025年5月に開いた記者会見で、教授らから高級レストランや銀座の高級クラブ、風俗店などで総額約2000万円にのぼる接待を強要されたと説明。「毅然と『NO』を言えなかったのは悔やむしかない」と語っていた。

●飲食や性的サービスを伴う接待を受けていたと認定

大学側の説明によると、2024年9月に協会側から内部通報があり、問題を把握した。これを受けて、2025年6月、國廣正弁護士ら外部弁護士による調査チームが調査を始めた。

調査では、元教授への4回にわたるヒアリングなどがおこなわれ、その結果、2023年2月から2024年9月までの間、協会幹部から月に2〜4回程度、高級飲食店や高級クラブ、キャバクラなどで飲食・遊興のほか、性風俗店での性的サービスを伴う接待を受けていたと認定した。

元教授が調査で認めた接待は31件だったが、その他は「わからない」「行っていない」などと答えている。しかし、メールなどの客観的な証拠から、実際はそれを上回ると判断している。

性的サービスを伴う接待は2024年4月から始まり、少なくとも6回あったと認定された。

●「研究の公正さにも疑念を生じかねさせず、責任は重大だ」

國廣弁護士によると、元教授はヒアリングに対して、接待を受けた事実は認めたものの、「お友だちとしての飲食」「仲間内の付き合いだった」などと説明し、便宜を図る考えがあったことまでは認めていないという。なお、元特任教授はヒアリングを拒否した。

画像タイトル 國廣正弁護士

調査チームは、刑法上の収賄罪に該当するかは別として、元教授らの行為は大学の倫理規定に違反していることは明らかとした。このような行為は、研究の公正さにも疑念を生じかねさせず、責任は重大と結論づけている。

処分について、元教授は懲戒解雇とし、元特任教授は雇用関係がすでに終了していることを理由に懲戒処分をしていない。藤井総長と担当理事らは、報酬を自主返納することも明らかにしている。

●ガバナンス改革進む中で新たな問題も

一連の不祥事を受け、東京大学はガバナンス強化への取り組みを公表した。不祥事の背景として、大学の閉鎖的な組織風土や教職員の倫理意識の希薄さがあったと分析。不祥事の未然防止や、社会連携講座の運営を厳しくチェックする体制を構築するとしている。

また、4月からは最高リスク責任者(CRO)を設置し、抜本的な改革を迅速に実行する方針だ。

大学内で実施したアンケートの結果、接待をめぐって新たに22件、倫理規定に抵触する事案が明らかとなったという。そのうち3件は「高額」とされ、現在、懲戒処分の手続きを進めているとしている。

藤井総長は「社会からの信頼を回復し、本学が変わったという姿を認めてもらえるように全力を尽くす」と述べた。会見は約3時間に及び、冒頭と終了時には深く頭を下げた。

この記事は、公開日時点の情報や法律に基づいています。

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