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いつまでも自立できない「おそ松さん」 ニートでも支払い義務がある「税金」を検証
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いつまでも自立できない「おそ松さん」 ニートでも支払い義務がある「税金」を検証

昨年秋から放送され、女性を中心に人気を集めるテレビアニメ「おそ松さん」(テレビ東京系)がまもなく最終回を迎える。

「おそ松さん」は、故赤塚不二夫さんの代表作の一つであるギャグ漫画「おそ松くん」の主人公の6つ子たちが成長した姿を描いたアニメだ。おそ松さんたちは、たまにアルバイトなどしている様子が描かれているが、基本は無職。親元で暮らしており、あまり働く意欲もなさそうだ。最終回が近づいているが、就職する気配は感じられない。

第4話では、両親に離婚の危機が訪れたことを機に、「いい大人なんだから」と母親から自立を促される一幕があったが、「松野家扶養家族選抜面接」という面接の末、6人全員が無事ニートの地位にとどまることができた。

おそ松さんたちのように、親の扶養にとどまって自立していない場合、国民年金や健康保険料などは、どうなるのだろうか。また、収入がなければ、税金を支払う必要もないのだろうか。社会保険労務士としても活躍する蝦名和広税理士に聞いた。

●ニートでも、支払わなければならない税金がある

「税金には多くの種類があり、収入がなくても支払う必要がある税金もあります」

すぐに思い浮かぶのは、商品を購入した場合にかかる消費税だが、それ以外にもあるのだろうか。

「たとえば、自動車税や固定資産税などです。車等を所有している場合は、自動車税を納める必要がありますし、土地や建物などの不動産も同様に所有していれば、税金を納める必要があります。

その他には、住民税も考えられます。住民税は前年の所得で税額を算出します。去年は働いていたけど、今年からニートになったという場合は、住民税を支払わなければならない可能性があります」

蝦名税理士は、この他にも各種保険料で注意が必要だと指摘する。

「国民年金保険料や健康保険料を払わなければならないケースもあります。

会社に勤めて社会保険に加入している方や、扶養に入っている配偶者以外は、原則として、国民年金保険料を支払う必要があります。

国民年金保険料の納付義務は本人にあります。しかし、本人に収入がなく、国民年金保険料の納付が難しい場合には、世帯主や配偶者が連帯して、国民年金保険料を納付する義務を負います」

●保険料の支払いを免除、猶予する仕組みがある

おそ松さんのように、一家に6人もニートがいる場合、世帯主の負担は大きくなりそうだ。救済措置はないのだろうか。

「生活するのが精一杯の方など、一定の要件を満たせば、救済措置として国民年金保険料の免除制度や猶予制度があります。生活が安定するまで、国民年金保険料の納付を一時的に止めることができるようになっています。

学生の場合は学生納付特例制度が設けられていますので、本人の所得が一定以下の学生は、申請により国民年金保険料の納付が猶予されます。

また、失業中に職業訓練校に行っている場合は、原則として、国民年金保険料を納付する必要がありますが、経済的に苦しい事情がある場合は、申請により特例措置として国民年金保険料が免除される場合があります」

●健康保険料が免除される場合とは?

健康保険料についてはどうだろうか。

「健康保険料の方は、おそ松さんのように親がいて親の扶養に入っていれば、健康保険料は免除となります。

収入見込みが年間130万円未満で、次の(1)(2)どちらかの要件を満たしていれば、扶養家族に加入することがでいます。

(1)扶養者と同居している場合は、収入が扶養者の収入の半分未満であること、

(2)扶養者と別居している場合は、収入が扶養者からの仕送り額未満であること

扶養に加入しないと、国民健康保険料を支払う義務が発生します。『松野家扶養家族選抜面接』でおそ松さんたちが、扶養家族に残れるよう必死でアピールしていたのも、納得できるところです。

国民健康保険には、前年の所得が一定金額以下の世帯に対して、国民健康保険料の軽減措置がありますので、そちらも知っておいたほうが良いかもしれません」

蝦名税理士はこのように述べていた。

【取材協力税理士】

蝦名 和広(えびな・かずひろ)税理士・特定社会保険労務士・行政書士・海事代理士

北海学園大学経済学部卒業。税務、労務、新設法人支援まで、幅広くクライアントをサポート。趣味は旅行、1児のパパ。

事務所名 : 税理士・社会保険労務士・行政書士 蝦名事務所

事務所URL:http://office-ebina.com

(税理士ドットコムトピックス)

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