労働問題に注力。理不尽な状況を正し、一人ひとりが尊重される公平な社会を目指して
「理不尽を正したい」という想いから弁護士を目指しました
――これまでの経歴について教えてください。
川崎で生まれ育ち、大学は早稲田大学教育学部社会科に進みました。その後、東京大学法科大学院を卒業し、弁護士になった2013年に川崎に戻り、現在も所属している川崎合同法律事務所に入りました。
――どういったきっかけで弁護士を目指されたのですか?
小学6年生のときにクラスでいじめがあったんです。私は気が強いので、何か言われても言い返せるタイプだったのですが、いじめの被害に遭った子は自己主張が苦手なタイプでした。本人に何も非はないのに、一方的に嫌がらせをされている状況を見て、なんて理不尽なんだと怒りを覚えました。
そんな中、憲法について学ぶ授業があり、基本的人権の尊重などの理念を知ったんです。その理念にとても共感して、「一人ひとりが大切にされない社会はおかしい」と思いました。
先生に、「どんな仕事につけば理不尽な目に遭っている人を助けられますか」と質問したところ、弁護士という仕事があることを教えてもらいました。このとき、「自分は弁護士になって世の中の理不尽を正すんだ」と決めたんです。
労働問題に注力。大規模訴訟の弁護団にも多数参加しています
――現在、どういった分野に注力されていますか?
労働問題です。事務所全体として力を入れているというのもありますし、私自身も、大学時代から「弁護士になったら労働問題に注力したい」と思っていました。
また、人権問題や公害問題にも取り組んでいますし、首都圏建設アスベスト訴訟弁護団、大気汚染公害全国調停弁護団、日産自動車期間工・派遣切り弁護団を始め、国や大企業などを相手にした大規模訴訟の弁護団にも多数参加しています。
――労働問題に力を入れたいと思ったのは、どういった理由なのでしょうか?
もともと「理不尽を正したい」という想いで弁護士を目指したわけですが、労働の現場では理不尽なことが起きやすく、どうしても労働者が弱い立場に置かれます。労働者の権利を守り、快適に働ける環境を整えるために、弁護士として力になりたいと思ったことが理由です。
――弁護士のイメージは、なる前に描いていたイメージと比べて変わりましたか?
理不尽を正すという部分だけでなく、弁護士が関わることで安心を得られたり、トラブルを未然に防げたり、思っていた以上に役に立つことができる範囲が広いとわかりました。
様々な悩みを解決するための力になりたいと思い、注力分野以外にも、離婚・相続・交通事故・借金問題・成年後見など、幅広い相談に対応しています。
弱者のために全力を尽くす弁護士でありたい
――仕事をする上で、どういったことを心がけていますか?
1つは、依頼者の話をよく聴くことです。「どうしてこの質問をするんだろう?」「本当に求めていることはなんだろう?」というふうに、言葉の奥にある想いにも意識を向けるようにしています。
もう1つは、事実を大切にすることです。理不尽を正すためには、依頼者がどれだけ理不尽な目に遭って、どれだけ苦しんでいるかということを裁判所、社会、国などに伝える必要があります。そのためには、依頼者の話を聴くだけではなく、現場を見ることや、関係者にも話を聴くことなどを通して、事実を徹底的に拾い上げることが欠かせません。
――弁護士として活動してきた中で、印象的だったエピソードを教えてください
たくさんありますが、弁護士になったばかりの頃に経験した出来事を紹介します。当時はアスベスト訴訟弁護団に入っていて、あるとき、被害者のお見舞いに行くことになりました。
お会いしたのは、70歳くらいの男性です。もともとは建設現場で働いていて筋肉質な身体の方だったそうですが、私がお会いしたときは自力で起き上がれないほどやせ細り、余命1か月と宣告されていました。それほど衰弱しているにもかかわらず、家族の手を借りて起き上がって私の手をにぎり、泣きながら「先生、私、悔しいんですよ、お願いします」とおっしゃったんです。
その姿を見て、生半可な気持ちで取り組んではいけないと覚悟を決めるとともに、今見えている被害は氷山の一角にすぎず、一人残らず救われなければならないと強く思いました。
理不尽な状況にある人が一人残らず救済され、同じような問題が起きない公平な社会を目指して
――プライベートについても伺います。休日はどのように過ごしていますか?
普段忙しくしているので、休日はできるだけ心身を休めるようにしています。健康維持のためにジョギングをしたり、取り組んでいる案件に関する本を読むこともあります。
――今後の展望をお聞かせください。
現在関わっている様々な案件について、理不尽な状況に置かれている人が一人残らず救済される日まで全力を尽くしたいと思っています。
また、劣悪な環境で働かされている外国人労働者を救済するために、英語も習得したいです。
すでに起きている問題だけでなく、今後起きる問題を少しでも減らすために、学校での法教育にも力を入れていきたいですね。
――先生が理想だと思うのはどんな社会ですか?
あえて一言で言うなら、公平な社会です。弱者が不利益や理不尽を被る社会は、やっぱりおかしいです。誰も差別されることなく、一人ひとりが個人として尊重される社会になると良いなと思います。
そのためには、理不尽な目に遭っている人が声を上げ、弁護士をはじめ様々な人たちが連帯して闘って権利や救済を勝ち取っていく必要があります。私もその一翼を担いたいです。
――法律トラブルを抱えて悩んでいる方へのメッセージをいただけますでしょうか?
「変だな」「おかしいな」と思うことがあれば、自分だけで抱え込まずお気軽にご相談ください。しっかりお話を聴いて、最善の解決ができるようにお手伝いいたします。