法律相談弁護士として、救いたい人生がある。
法律相談の半分は「人生相談」
「どうしていいのか分からなくて困っています」・・・。 これらは実際に、私に打ち明けられた悩みの内容です。 法律問題を抱えていらっしゃる人のストレスは、大変なものです。
また、悩み事をかかえていらっしゃる方の中には、悩み過ぎて、一人では悩みのループから抜け出せなくなってしまっている方もいます。
私のモットーは、「法律相談の半分は人生相談」です。 だから相談時間も、平均120分程度。十分な時間をかけます。
誰にも言えないことを話すことは簡単なことではありませんし、人の悩みは、一言で説明できるものばかりではありません。
相談者の歴史や、人生観、価値観を共有してはじめて、理解できることが多いです。
心の中から絞り出される想いを共有する存在として、 辛い時に”人生相談”する存在として、 誰かのお力になれるのであれば、こんなに嬉しく光栄なことはありません。
私はそういう考えに基づき、「法律相談弁護士」をしています。
裁判所以外の場所で、”声”を聞く仕事
私は2013年に弁護士登録する前まで20年間、裁判官として働いていました。
裁判官というのは、どんな時も中立の立場です。 原告側・被告側の代理人の「言い分」を聞いて、法律や倫理、道徳的な視点とも照らし合わせて判決を下す、それが裁判官の仕事です。
裁判官として働く中で、様々な「言い分」に出会い、人間としてすごく考えさせられました。 そして、裁判に至らないケースであっても、苦しんでいる方はたくさんいることを知りました。 だから退官後は、誰かの悩みに直に寄り添いたいと思い、「法律相談弁護士」を始めました。裁判所以外の場所で、”声”を聞きたかったのです。
普段は、精神科クリニックとそれに併設したデイケア施設の患者さまで、法的なアドバイスを求めていらっしゃる方のお悩みを聞いたり、精神科の専門医と連携して、心と身体を健やかにするために活動しています。
同じような悩みでも、当事者の健康状態や環境によって悩みの感じ方に差が生じます。
免疫力が低下している時に風邪を引くと、治りが遅いことがありますよね。 それと一緒です。人の心も、弱っている時に様々なダメージを受けると、自分の思考回路を見失ってしまうことがあります。
でもそういう時に必要以上に自分をいじめてしまう人が多い。
「もっと自分が頑張ればいいだけの問題」と、自分を一方的に苦しめる解釈をして、家族に恋人にも相談できず、見ているこちらが息苦しくなるほどに、一人苦しんでいる方もたくさんいます。
そんな時に、「心開いてみよう」と思っていただける存在でありたい。
そんな思いで仕事をしています。
一番ネガティブなケースを想定しながら、一番ポジティブな選択ができるように力を尽くす
実際に悩み苦しんでいるのは、当事者だけではありません。 当事者のことを大切に想うご家族やご友人が心を痛めている場合も多いです。
先日、「うつ病の子どもに、そろそろ再就職の提案をしたい」とあるご両親からご相談を受けました。 当時、お子さんは、うつ病の回復期にあり、元気も出てきたので、次のステップに進ませたいとのこと。ご両親のお気持ちは、よく理解できました。
しかし、実は、うつ病は回復期が一番危ないとも言われていて、回復期に無理をしたうつ病患者が、ふとした瞬間に自ら命を絶ってしまうケースが多数報告されています。最悪の場合死に至ることさえあるということを理解していただかなければと思い、ご両親には、「絶対に無理をせず、精神科医とよく相談しながら慎重に進めた方がいい」とアドバイスを差し上げました。
人は期待をされると、知らないうちに焦ったり、期待に応えるために、何としてでも結果を手に入れようと無理をすることがあります。でもその結果、命を失ってしまっては、誰も幸せにならない。そういう悲劇を一つでも多く減らすこと。それも私の使命であると感じています。
最悪なケース、つまり一番ネガティブなケースを常に想定しながら、でも同時に、その状況下での一番ポジティブな選択ができるように力を尽くす。
これは、専門家であるために必要な条件でもあると思いますね。

「命を大切に」
私が法律相談を通して、一番伝えたいこと。
それは「命を粗末にしないで欲しい」ということ。
すごく当たり前に聞こえて、言葉だけではなかなか実感していただけないかもしれませんが、自分以外の人は、他にいません。 だから誰しもが皆、自分にしかできないことを、必ず持っています。少なくとも、私は、必ずそうであると信じています。
問題に直面してしまい、一時的にでも自信をなくした方は、よく「私なんてなにもできないから存在意味がない」と言われることがあるんですが、それは違うんです。ご家族やご友人などにとっては、その方の存在自体が「喜び」であることがほとんどです。存在しているだけで、誰かに生きる希望や力を与えているということ。これは事実です。
私との面談では、その”事実”を理解してくださった方が、「心がスッキリした」と笑顔を見せてくれることがあります。 自分自身の存在を肯定できた瞬間に、「幸福感」が一気に高まるんですね。 これが大事です。
また、命とは、「命」そのものに加え、命を持って実現できることすべてを指すと思います。 命がなければ、何もできません。だから、少し大変でも、命を粗末にせずに、信頼できる人を頼りながら、ゆっくり再起して欲しいです。
自分で「気づき」、自分で「決める」
このように、当事者やそのご家族、ご友人と法律相談をする中では、当事者の育ってきた環境や、性格、価値観、を多角的に捉えることができます。
漏れのないようにお話しを丁寧に聞きますので、やはり120分くらいはどうしても必要になりますね。
真剣な悩みの共有は、相談する・される側双方が、大変なエネルギーを使いますが、相談が終わる頃には、信頼関係が構築され、どちらも満足度が高いことが多いです。
たっぷり時間をかけることにより、私自身は相談者の悩みや苦しみを齟齬なく理解できますし、相談者も様々な角度から自分と向き合い、または私と共有するお話の中からの「気づき」を得て、前向きな思考回路を取り戻すことができます。
「そういう考え方があるんだ」、「自分だけじゃないんだ」と、相談前までには見えていなかったことが、見えるようになるんです。
そして、この「気づき」こそが、「力」です。相談者が自分で「気づき」自分で「決める」ことで、自らの自信を取り戻していけるのです。
雑談の中にこそヒントが隠されている
考えてみると、私は相談者と「時間の使い方」についての話をすることが多いように感じます。
これは相談中の”雑談”の一部ですが、相談者がどんな時間を過ごしたいのかを聞くことによって、その方の人生観や大切にしているものがなんとなく分かります。
「多くの友達とお酒を飲むことが幸せ」と感じる方もいれば、 「一人で静かに読書する時間が好き」という方もいます。
それぞれ「豊かな時間」の定義が違うわけですよね。
相談者にとっての「豊かな時間」を想像し、共有することは、私がさらに相談者を理解できるきっかけとなり、問題解決に役立つことが多いんです。
こういう考え方は、「法律の知識」と言うより、「知恵」なのかもしれませんが、 複合的なアドバイスを差し上げるという面で、非常に有益であると考えています。
こういった「知恵」は、クリニックの精神科医や臨床心理士、就労支援の専門家との会話や、経営者のセミナーなどに勉強に行った時に得ることが多いですね。
このように、雑談の中にも、思わぬヒントが隠されていることが多いので、相談の時間は、とにかくお話をすることだけに集中するようにしています。
「受援力」を高めて、幸せに生きてください
この世の中「なんだか生きにくい」と感じることはありませんか?
どんな情報でも得ることができ、誰とでも繋がれる便利な世の中ですね。でも開放的に見える反面、心は閉鎖的になってしまう人も多いように感じます。
あまりにも情報が多く、自分で選ぶことが難しいこともあります。
そんな時は、自分一人で頑張ろうとせずに、誰かに頼りながら、時間をかけて正しい選択をしていかれて欲しいです。そのために、私がいます。
「助けて」と言うことは、恥ずかしいことではありません。 人に助けてもらうことも自分が幸せになるための一つのスキル。 どうか辛い時には、「受援力」を武器にしてみてください。 きっと、もっと幸せになれるはずです。
