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女子高生の19%、ネット「病的使用」状態…中高生の飲酒・喫煙は大幅に減少
厚労省研究グループの尾崎教授、樋口教授

女子高生の19%、ネット「病的使用」状態…中高生の飲酒・喫煙は大幅に減少

中学生・高校生の飲酒や喫煙実態などについての厚労省研究グループ(研究代表者:尾崎米厚・鳥取大学医学部教授)は8月31日、東京・霞が関の厚生労働省記者クラブで記者会見を開き、調査結果を公表した。調査結果によると、中高生の飲酒・喫煙は減少傾向にある一方、インターネットの過剰使用は激増しており、特に女子の割合が高かった。

調査は2017年12月から2018年2月末におこなわれ、今回が8回目。対象は全国の103校(中学48校、高校55校)の生徒全員で、6万4329人が回答した。

●「中高生のインターネット使用については、心配な状況になっている」

インターネットの過剰使用の割合は男子よりも女子の方が多く、インターネットにのめりこんでいる中高生が多いことがわかった。

調査チームが「病的使用」(「ネットに夢中になっているか」「いやな気持ちから逃げるためにネットを使うか」「ネットの使用時間を減らしたり、やめようとしたときにイライラするか」など、ネット使用状況について尋ねた8項目のうち、5項目以上にあてはまる人)と定義する状態にある人の割合が、高校生の女子で18.9%にのぼった(2012年の調査では11.2%)。高校生の男子は13.2%だった(2012年調査では7.6%)。

中学生は男子が10.6%、女子が14.3%(2012年はそれぞれ4.4%、7.7%)だった。

尾崎教授らは「女性はSNSの使用率が高い傾向にあるので、割合が多いのかもしれない。インターネットの過剰使用の割合が大幅に増加したのは、スマートフォンをはじめとするデバイスの使用率やインターネットの利用者が増加していることも原因だ」と述べた。また、「中高生のインターネット使用については、心配な状況になっている。なんらかの適切な対策が必要だ」と訴えた。

●飲酒・喫煙は減少傾向 睡眠障害もゆるやかに改善

過去の調査と比較すると、中高生の飲酒・喫煙はともに年々減少しており、改善傾向にある。

「飲酒経験」がある割合

1996年の調査:男子(中学生73.8%、高校生87%)、女子(中学生72.3%、高校生86.6%)

2017年の調査:男子(中学生17.1%、高校生30.3%)、女子(中学生15.3%、高校生29.4%)

「喫煙経験」がある割合

1996年の調査:男子(中学生35%、高校生54.3%)、女子(中学生20.8%、高校生34.1%)

2017年の調査:男子(中学生3.1%、高校生6.9%)、女子(中学生2.1%、高校生5.1%)

また、単に飲酒・喫煙経験がある割合だけではなく、習慣的な飲酒・喫煙の割合の頻度も男女ともに低くなっていた。

今回の調査では、喫煙は「紙巻」「加熱」「電子」の3種類に分け、調査をおこなった。その結果、「紙巻」「電子」「加熱」の順に使用頻度が高く、新型タバコである「加熱」「電子」タバコを使用している中高生もいることがわかった。

このほか睡眠障害について、「入眠困難」「中途覚醒」「早期覚醒」「睡眠の質の悪化」の4つを調査した。過去の調査結果と比較すると、中高生の睡眠障害の頻度は年々ゆるやかに改善している。しかし、4つのうちもっとも多かった「睡眠の質の悪化」を訴える割合は男子が中学生27.7%、高校生38.1%、女子が中学生31.4%、高校生41.5%となっており、睡眠障害で悩む中高生は少なくないことがうかがえる。

(弁護士ドットコムニュース)

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