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財務省の「セクハラ調査方法」撤回求める署名提出「あの程度の認識で、国を動かしてきたのか」
有志の弁護士たち

財務省の「セクハラ調査方法」撤回求める署名提出「あの程度の認識で、国を動かしてきたのか」

「週刊新潮」(4月19日号)が報じた財務省の福田淳一事務次官のセクハラ疑惑について、同省が告発した女性本人に名乗り出るよう呼びかけたことをめぐり、有志の弁護士が4月19日、同省と麻生太郎財務相あてにインターネットで集めた署名(約2万7000筆分)を提出した。署名呼びかけ人の太田啓子弁護士は「女性に不安を与える手法は本当に許せない、という思いだ」「財務省の感性は鈍い」と批判した。

●ネット署名は「3万5000筆」以上(4月19日16時時点)

福田事務次官が「胸触っていい?」などとセクハラ発言をしていたという報道を受けて、財務省は「事務次官との間で週刊誌報道に示されたようなやりとりをした女性記者の方がいらっしゃれば、調査への協力をお願いしたい」などと、マスコミ向けに要請していた。

こうした財務省の対応について、ジェンダー問題や労働問題に取り組んでいる有志の弁護士10人が4月17日から、インターネット署名サイト「Change.org」で、署名キャンペーンを立ち上げた。4月19日16時時点で、3万5000筆以上があつまっている。このうち印刷した2万7000筆を提出した。

署名は、(1)財務省がセクハラ被害者に名乗り出ることを求める調査は問題である、(2)セクハラ被害告発者にかかる圧力は非常に大きい、(3)財務省のハラスメント隠蔽体質を疑わざるをえない――として、女性に名乗り出ることを求める調査方法を撤回するよう求めている。

●「まったく違う社会が残っていた」

署名の呼びかけ人の1人、早田由布子弁護士は、提出後の記者会見で「財務省が、セクハラ被害者に名乗り出るように求める調査方法を用いることは、セクハラに関して、誤ったメッセージを発してしまうことになり、社会意識に対して悪影響がある。そのことに怒っている人たちがいることについて、財務省に認識してもらいたい」と述べた。

ジェンダー問題に取り組む角田由紀子弁護士は「セクハラに対する社会認識が変わったが、まだこんなことが起きているのかと愕然した」「高級官僚と言われる人たちが一番学んでいなかった。あの程度の認識しかなくて、この国を動かしてきたのか。まったく違う社会がこういうところに残っていた」と話した。

(弁護士ドットコムニュース)

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