「あとで『はい!100万円でした』って言われたら払わなきゃいけないの?」
お笑いタレントの劇団ひとりさんが、11月3日深夜放送のTBS「令和に足りないテレビ」で、寿司屋の「時価」に疑問を投げかけた。
値段がわからないまま注文し、食べ終わってから高額な料金を請求される可能性について「法律で引っかかってると思うんだけど」と話した。
さらに「だったら俺たちだってさ、ギャラ時価にしてさ、終わってからプロデューサーに"はい100万円ください"って。方法としては一緒じゃない!?」と訴え、スタジオの笑いを誘った。
たしかに、値段が示されていない商品を注文し、後から思いがけない金額を請求されたら、客は支払わなければならないのだろうか。
そもそも、寿司屋が価格を「時価」と表示することに、法律上の問題はないのだろうか。冨本和男弁護士に聞いた。
●寿司屋の「時価」は法律上問題ない?
──寿司屋が価格を「時価」と表示することに、法律上の問題はないのでしょうか。
「時価」と表示すること自体を禁止する法律の規定は見当たりません。基本的には法律に引っかからないのではないかと考えます。
契約(ここでは注文と受注の合意)が有効に成立するためには、契約内容の「確定性」や「社会的妥当性」などが認められる必要があります。
「確定性」とは、契約内容がはっきりしていて、当事者が自分の権利や義務を理解できることです。
「時価」は、その時点での市場価格などを意味するため、具体的な金額が示されていなくても、価格を決める基準は明確であり、確定性が認められると考えられます。
一方、「社会的妥当性」とは、契約内容が社会通念上、許容されるものであることです。
たとえば、相手の無知や困窮につけ込み、法外な利益をむさぼるような契約は、無効となる場合があります。
しかし、市場価格を基準とする「時価」であれば、基本的には社会的妥当性が認められるでしょう。
したがって、寿司屋が価格を「時価」と表示すること自体は、法律に引っかからないのではと考えます。
ただし、客が価格を確認できないまま、店側が一方的に法外な金額を請求してよいというわけではありません。
客としても、注文する前に「いくらくらいですか?」と確認するのが安全です。
店側も、あらかじめ目安となる金額を伝えておくことが、トラブルを防ぐうえで重要でしょう。