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17歳息子が「30歳」と偽ってクレカ契約 支払額は20万円にも… 法的責任どうなる?
画像はイメージです(mits / PIXTA)

17歳息子が「30歳」と偽ってクレカ契約 支払額は20万円にも… 法的責任どうなる?

未成年の子どもが勝手にクレジットカードを作り多額の請求をされましたが、支払う義務はあるのでしょうか──。こんな相談が弁護士ドットコムに寄せられています。

相談者は、見覚えのない支払額「20万円」の督促状が自宅に届き驚いたそうです。契約書を確認すると、17歳の息子が30歳と偽ってクレジットカードの契約を締結しており、このカードで20万分の利用を行ったことが判明しました。

自分で利用した以上、たとえ未成年でも支払わなければならないのでしょうか。また仮に子どもが支払えない場合は、親の責任になるのでしょうか。武山茂樹弁護士に聞きました。

●未成年本人が支払わなければならない可能性高い

──未成年がした契約は法的にどのように扱われますか。

近年、民法が改正され、成人年齢が「18歳」となりました。未成年者は「17歳以下」ということになりますが、未成年者が締結した契約は、原則として取り消すことができます。取り消しは親からでも、未成年者本人からでもかまいません。

クレジットカード作成も立派な契約ですので、原則として、クレジットカードの作成自体を取り消すことができます。

また、クレジットカードを使って買い物することやサービスの提供を受けることも契約によるものですから、小遣いの範囲を超える買い物等に関しても、原則取り消すことができるでしょう。

──今回のケースも契約を取り消して支払いをせずに済むのでしょうか。

結論から申し上げますと、払わなければならない可能性が高いです。

お子さんが「30歳」と偽っていたとのことですが、この偽った行為を法律的には「詐術を用いる」といいます。この場合、契約を取り消すことはできません。

ですので、今回のケースでもクレジットカード契約を取り消すことはできないでしょう。

また、クレジットカードを使って買い物すること自体、自分は成年だと表示していることになりますので、同様に取り消すことができません。

ただし、契約の相手方がお子さんが未成年者だと知っていた場合は、取り消すことができます。

なお、契約の相手方がお子さんが成年者だと勘違いしたことに落ち度がある場合に取り消せるか否かは、学説上も争いがある点です。18歳を30歳と勘違いすることに落ち度があるか否かは、ケースバイケースの判断になってきます。

──刑事責任を問われることもあるのでしょうか。

嘘をついてクレジットカードを作成した点については、詐欺罪に問われる可能性もあります。

──親の責任はどうなるでしょうか。

親が、子どもが明らかに高額の商品を持っているのに、購入経路等を何も調べないなど親自身に過失がある場合は民事上の責任が生じ得ます。一方で、通常の子どもに対する監督を行っている以上は、親の責任が生じることはないでしょう。

この記事は、公開日時点の情報や法律に基づいています。

プロフィール

武山 茂樹
武山 茂樹(たけやま しげき)弁護士 新橋虎ノ門法律事務所
京都大学法学部・同大学院卒。2014年弁護士登録(第二東京弁護士会)。中小企業法務などを取り扱う傍ら、「中小企業法務チャンネル」「エントラストチャンネル」というYoutubeで情報発信も行っている。

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