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保育士の持ち帰り残業「ほぼ毎日」が32.8%、行事前の準備などが負担に
ほぼ毎日持ち帰り残業をしている人が32.8%にのぼった

保育士の持ち帰り残業「ほぼ毎日」が32.8%、行事前の準備などが負担に

長時間労働が問題視される中、保育士や幼稚園教諭の人材紹介サービスを行うウェルクス(東京都)は、2月1日、保育士の残業時間に関するアンケート結果を公表した。ほぼ毎日持ち帰り残業をしている人が32.8%にのぼるなど、厳しい勤務実態が明らかになった。

●「週に1回以上」仕事持ち帰りが8割以上

アンケートは2016年12月23日~2017年1月16日に、インターネット上で実施。204人から回答が集まり、内訳は保育士が84%、幼稚園教諭が13%、その他保育・教育関連の従事者が3%だった。

「残業時間内に終わらず『持ち帰り仕事』となる頻度を教えてください」という質問では、週に1回以上持ち帰り仕事をしているとの回答が83.8%で、そのうち32.8%が「ほぼ毎日」と答えた。「持ち帰りはない」は16.2%だった。

「1日の平均残業時間はどれぐらいですか?」という質問では、「1〜2時間以内」が34.8%と最も多く、次いで「1時間以内」が21.6%、「2〜3時間以内」が19.6%だった。「残業は一切ない」が10.3%だった一方で、3時間以上の残業をしているとの回答は13.7%にのぼった。

「1日の最長残業時間を教えてください」という質問では、「7時間」「8時間近く残業して、帰ったら深夜2時くらいになることもあります」「10時間」などの回答が見られた。

●「サービス残業して当たり前、持ち帰りして当たり前という業界」

自由記述欄には「いちばん大変だった残業のエピソード」として、以下のような回答があった。

「発表会の衣装作りで2週間毎日2時間睡眠でした」(30代後半/女性)

「クレームを言う保護者の対応。卒園式の前日で、準備もあり、夫婦で乗り込んできた保護者の面談も行い、精神的に疲れ果てた」(30代後半/女性)

「発表会準備があるのに、人手不足で保育が抜けられず、毎日定時過ぎから作業を始めていた。休みの土曜も出勤。半日勤務の土曜も暗くなるまで残ってやっていた」(30代前半/女性)

このほか、残業をしても手当が支払われないことや、人手不足で1人にかかる業務負担が重いこと、準備に時間がかかる行事の回数減や書類の簡素化を訴えるコメントもあった。

「出勤簿に印鑑を押すのみでタイムカードがないですし、一応シフトが決まっていますがあったないようなものですし、サービス残業して当たり前、持ち帰りして当たり前という業界だと思います」(20代後半/女性)

「勤務時間内に書類をやる時間も人員も無い。それなのに書類はたくさんある。もっと効率的で簡素な書類にしてほしい。行事もこんなに毎月いらない」(30代前半/女性)

「残業はないとはいうか、出来ないのでいつも終わらなかった記録等の書類や、行事前の準備、製作物や制作の準備物は常に持ち帰って、我が子を寝かせたあとにしています。プライベートな時間も仕事に侵食されています」(30代前半/女性)

(弁護士ドットコムニュース)

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