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「たかの友梨社長は女性従業員に直接、謝罪したわけではない」エステ・ユニオンが反論
「不二ビューティ」の本社がある「たかの友梨レインボービル」

「たかの友梨社長は女性従業員に直接、謝罪したわけではない」エステ・ユニオンが反論

エステサロン「たかの友梨ビューティクリニック」を運営する株式会社不二ビューティは10月4日、女性従業員に向けられた高野社長の発言が「不適切」だったと認め、「組合員・従業員に向けて謝罪した」とプレスリリースで発表した。しかし、高野社長から「圧迫発言」を受けたという従業員が加入する労働組合は5日、「発表は事実と違う」と反論の声を上げた。

女性従業員が加入している労働組合「エステ・ユニオン」執行役員の青木耕太郎さんは、弁護士ドットコムの取材に対し、「『謝罪』を行ったとされる場に、組合員は誰もいませんでした。被害者の女性も出席できていません」と説明した。「たかの友梨は、被害者である組合員が出席していたかのように発表していますが、こうした記述は事実に反しています」というのだ。

●高野社長は女性従業員に「直接」謝罪していない?

不二ビューティは10月4日のプレスリリースで、「本日、たかの友梨ビューティクリニック仙台店において、当社代表取締役高野友梨から、2014年8月21日開催の食事会における不適切な発言等につき、組合員・従業員に向けて謝罪いたしました」 と説明している。

だが、この高野社長の謝罪は、組合員・従業員に「向けて」と書かれてはいるが、問題の女性従業員やエステ・ユニオンの組合員に「直接」語りかけたものではなかった。そのように、エステ・ユニオンの青木さんは語っている。

では、なぜ、「圧迫発言」を受けた女性従業員は謝罪の場にいなかったのだろうか。青木さんは次のように説明する。

「会社からの当初の連絡は『高野友梨からメッセージをお伝えする』というもので、いったい何が伝えられるのかがわかりませんでした。しかも、代理人や組合役員の同席が認められなかったため、被害者は再び圧迫されるかもしれないと恐怖を抱いていました。

さらに、連絡があったのが10月2日の夜18時過ぎという急なもので、日程調整にも応じてもらえませんでした。被害者である組合員の女性への配慮を全く欠いているため、出席のしようが無かったということです」

青木さんは「謝罪なのに、被害者が出席できるように調整しないのは、おかしいと思います。このような経緯で、当事者不在のまま『謝罪』を強行されても、全く誠意が伝わってきません。高野社長は、あらためて従業員に会って、直接謝罪をすべきです」と話している。

エステ・ユニオンは10月5日、ブログに不二ビューティに対する「反論文」を掲載した。その全文は次の通り。

●たかの友梨ビューティクリニックが公表した文書「弊社従業員への謝罪及び弊社の労務環境の改善に向けた取り組みについて」に対する当組合からの反論

たかの友梨ビューティクリニック(株式会社不二ビューティ)は、同社ホームページにて「弊社従業員への謝罪及び弊社の労務環境の改善に向けた取り組みについて」と題する文章を10月4日に公開しております。

 しかし、発表内容に事実と異なる点や誤解を招く点があり、かつ「謝罪」に至る経緯についても問題がありますので、当組合として本件の事実関係を説明し、反論いたします。

■「謝罪」の場に組合員は一人もいなかった

 まず、最も重要な点としましては、10月4日に高野友梨氏が「弊社従業員への謝罪」を行ったとされる場に、被害者である組合員や不当労働行為を受けた当組合の組合員は一人もいなかったということです。

 同社ホームページに公開されている文書では、「当社代表取締役高野友梨から、2014年8月21日開催の食事会における不適切な発言等につき、組合員・従業員に向けて謝罪をしました。」とあり、被害者である組合員が出席していたかのように発表していますが、こうした記述は事実に反しています。

■「謝罪」に至るまでの経緯における問題点

 「謝罪」に至る経緯についても問題点があります。この問題点は、当組合員が本日出席していない理由に、大きく関連しています。

 10月2日の夜18時すぎ、同社から当組合にFAXにて連絡がありました。内容は、二日後の10月4日午前9時半から、たかの友梨ビューティクリニック仙台店において、「代表取締役高野友梨から、仙台店の従業員に向けて、同年8月21日開備の食事会の件等に関するメッセージをお伝えする」として、被害者である組合員にも出席するよう求めるものでした。それから同社とやりとりする中で、同社の要望にはまず以下の問題点がありました。

(1) 当組合および被害者である当組合員と、日程に関して一度も調整がなされておらず、二日前の夜に急に呼び出された。

(2) 当日に具体的に何を行う予定なのかが不明確であった(特に、最初のFAXでは謝罪でなく「メッセージ」としか書かれておらず、説明もなかった)。

(3) 組合役員や代理人の同席を認めず、被害者である組合員一人で出席するよう求められた。

 ただでさえ、8月21日の事件により、被害者である組合員は精神的なショックを受け、出社に対して恐怖を抱いているところに、(1)〜(3)のような不信感を抱かせるような対応をされたことにより、同組合員が再度傷つけられる恐怖を感じたため、同社に出席は困難であることを当組合から伝えました。

 そのうえで同社に対し、謝罪の日程や方法について、被害者である組合員と改めて調整するよう求めましたが、応じていただけませんでした。

 このように、被害者である組合員の事情を無視し、当事者不在のまま、一方的に「謝罪」を行ったとすることや、その場に組合員が出席していたかのような不正確な発表をすることは、被害者である組合員や当組合に対して不誠実な対応と言わざるをえません。

 また、事件発生から1ヶ月以上にわたって、当組合に対し事実関係について何らの釈明もせず、団体交渉の場(9月26日開催)においても、本件に関する回答や説明を拒否しておきながら、10月2日になって突然、FAXの一本で被害者である女性を呼び出そうとする、たかの友梨ビューティクリニックの「謝罪」の姿勢には疑問があります。

 当組合としましては、被害者である組合員と予め日程を調整し、当組合役員の同席の下で、直接謝罪をすることを求めるものであります。

(弁護士ドットコムニュース)

この記事は、公開日時点の情報や法律に基づいています。

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