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「ブラック企業大賞」にヤマダ電機、 緊急ノミネートのすき家に「要努力賞」
ブラック企業大賞の授賞式。受賞企業の代理として、実行委員会のスタッフが賞状を受け取った

「ブラック企業大賞」にヤマダ電機、 緊急ノミネートのすき家に「要努力賞」

長時間労働やパワハラなどで悪質だとされる企業を選出する「第3回ブラック企業大賞」の発表会が9月6日、東京千代田区で開かれ、「大賞」に従業員の過労自殺をめぐる訴訟が起きている「ヤマダ電機」が選ばれた。

ブラック企業大賞は、労組やNPO法人、弁護士、ジャーナリストらによる実行委員会が企画。第3回となる今年は、7月に9組10社がノミネートされ、9月に「不二ビューティ」と「ゼンショーホールディングス」の2社が追加ノミネートされた。

大賞のほか、各賞も発表された。セクハラヤジ問題で話題を呼んだ東京都議会が「特別賞」を受賞。アニメ制作会社のA-1Picturesと、「たかの友梨ビューティクリニック」を展開する不二ビューティの2社に「業界賞」がおくられた。牛肉チェーン「すき家」を運営するゼンショーホールディングスは「要努力賞」となった。

●「過労自殺を繰り返し、反省の色が見られない」

ヤマダ電機は、従業員による「過労自殺が相次いでいること」を理由にノミネートされた。実行委員会によると、ヤマダ電機では、2007年9月に当時23歳だった社員が長時間労働の末に自殺、2011年6月に労災認定された。

遺族はヤマダ電機側に安全配慮義務違反があったとして、損害賠償を求め提訴。ヤマダ電機側は訴えを全面的に否定しているという。また、2004年にも当時29歳の契約社員が上司から罵倒を受けて自殺に追いやられたとして、訴訟に発展したという。

授賞式で、実行委員会の水島宏明・法政大学教授は「ヤマダ電機はウェブ投票でも最多の票数を集めた。過労自殺を繰り返しているという点や、反省の色が見られないことなどを勘案して、総合的に選んだ」と説明した。

また、水島氏は「最近、実行委員会のもとに、会社の人事が見るような業界紙・広報誌などからも取材が来るようになってきた」「ブラック企業は社会的に認知されている。労働側だけではなく、会社自体の危機管理として、ブラック企業でないような方向にしていこうという機運が出てきている」と、ブラック企業をめぐる環境の変化を指摘した。

今回、ノミネート企業から出席者は一人もなく、受賞企業の代理として、実行委員会スタッフが賞状を受け取った。委員会によると、2012年の第1回ブラック企業大賞から毎回、ノミネート企業に授賞式の招待状を送っているというが、会場前方のノミネート企業席は空席のままだった。

授賞式の動画はこちら。

https://www.youtube.com/watch?v=jVqAR_rSowQ

(弁護士ドットコムニュース)

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