若い女性がパトロンとなる中高年男性を探す「パパ活」。インターネットのQ&Aコーナーに、「パパ活をやめたらお金を返せと言われた」というトラブルの質問が寄せられています。
ある投稿者は、一度体の関係を持った相手から「前みたいに会ったりはしないし サポートだから返さなくていいから」と言われ、3万円振り込まれたそうです。その後も会うのを断っていたところ、相手が逆上し、3万円の返還を請求され、脅しのメールが届いているそうです。
「パパ活」をめぐり、相手からもらったお金は返還しなければならないのでしょうか。もしこの脅しメールに生命や身体に危害を与える旨の内容が書かれていた場合、犯罪になる可能性もあるのでしょうか。小沢一仁弁護士に聞きました。
●お金を返す必要はない
お金は返さないといけないのでしょうか。
「今回の投稿内容によれば、男性は女性に対して『返さなくていいから』と断って3万円を支払っていますので、この支払いは贈与にあたると思います。贈与された金銭は返す必要はありません」
●「払わないなら殺す」などと脅したら脅迫罪が成立
脅しのメールが犯罪になる可能性はあるのでしょうか。
「脅迫罪は、生命、身体、自由、名誉又は財産について、一般人が畏怖(怖がる)に足りる程度に害を与える旨の告知をすることで成立します(刑法222条1項)。そのため、例えば、『3万円を払わないなら殺す』『3万円を払わないなら家まで行く』『3万円を払わないなら、パパ活をし、体の関係を持ったことをインターネット上で公表する』などのメールが送信されてきたり、電話がかかってきたりするようであれば、脅迫罪が成立することになると思います」
●ストーカー規制法に違反する可能性も
「なお、男性が女性に恋愛感情その他の好意の感情を持ち、又は、それが満たされなかったことに対する怨恨の感情を充足する目的で、無言電話を掛けたり、拒んだのに連続して電話やメールの送信をするような場合、女性の名誉を害する事項を告げるような場合は、ストーカー規制法に違反する可能性もあると思います(ストーカー規制法2条5号、7号)」
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