元シブがき隊の俳優・布川敏和さんとタレントのつちやかおりさんの夫婦が5月1日、別々に記者会見を開き、「別居状態」にある夫婦関係について語った。一昨年の冬に末娘と一緒に家を出たというつちやさんは「大きな覚悟をもって出たつもりです」と発言。「離婚を決意しているのか?」という質問に対しては、「そうとっていただいてかまいません」と答え、離婚への意思を明らかにした。
一方、離婚を視野に入れているというつちやさんの姿勢について、布川さんは「そういう考えだったのかとビックリしています。初耳だったので」と戸惑いをみせた。「『離婚したい』『はい、そうですか』と、すぐにはOKできない部分もある」と、離婚にすぐ応じるわけにはいかないという考えを示した。
離婚したい妻と離婚したくない夫――。これは芸能人だけでなく、多くの夫婦のあいだで起こりうる事態だ。もし突然、自分の妻から離婚を切り出されたら、夫はどのように対応するのがよいのだろうか。離婚問題にくわしい冨本和男弁護士に聞いた。
●裁判になっても、必ず「離婚」に至るわけではない
「離婚を切り出された場合、まず考えるべきなのは、本当に離婚するかどうか、離婚しなければいけないのかです」
冨本弁護士はこう切り出した。
「妻が離婚したいと言っても、夫が必ず応じなければいけないわけではありません。離婚するためには、原則として、夫婦の合意が必要です。
もし夫のほうが協議離婚や調停離婚に応じなければ、妻は裁判に訴えるしかありません。それには、それなりの時間がかかるのです。
そして、仮に裁判になったとしても、『婚姻を継続し難い重大な事由』がなければ、離婚は認められません。離婚を切り出されたからといっても、必ず離婚に至るわけではないのです」
つまり、妻が「離婚したい」と切り出しても、あわてずに、最善の方法を考えるべきだということだ。
●「子どもへの影響」と「離婚後の生活」を冷静に考えるべき
「特に、不倫をしたパートナー(有責配偶者)が離婚を希望している場合は、裁判になっても、簡単に離婚が認められるわけではありません。じっくり考えて、行動したほうがいいでしょう」
その際、考えるべきポイントは、どんな点だろうか?
「離婚するかどうかの問題とからみますが、特に考えるべきなのは、(1)子どもへの影響と、(2)離婚後の生活でしょう。
未成年の子どもがいる場合、両親の離婚が与える影響は計りしれません。自分やパートナーの気持ちだけでなく、子どもの将来のためにどうしたらいいか、よく考える必要があります。
また、いままでパートナーの収入をあてにして生活していたのであれば、離婚後にどういうところに住み、どうやって生計を立てて行くのかも真剣に考えないと、離婚してから路頭に迷いかねません」
永遠の愛を誓った相手から「離婚」を切り出されれば、精神的に大きなショックを受けるだろう。しかし、そこでパニックになってしまうのではなく、冷静に考え、必要な情報を集めることが大事だといえそうだ。