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パパ活をやめて会社員になった女性…元客から「返金しないなら職場に内容証明を送る」と要求されて
足を洗ったのに…(horiphoto / PIXTA)

パパ活をやめて会社員になった女性…元客から「返金しないなら職場に内容証明を送る」と要求されて

パパ活の一環として貰った金銭は返金しなくてはいけないのでしょうか。大学時代の「パパ」から返金を求められている女性が、弁護士ドットコムに相談を寄せました。

相談者は大学生の時、その「パパ」と関係を結んでいました。一度だけ「10万円を貸して欲しい」と頼み、借用書を作成したものの、それ以外は「旅行や食事など過ごした時間との対価としてお金をもらっていた」といいます。

しかし、社会人になったので「もう会えません」と伝えると、「これまでに渡した40万円を返金しろ」と要求されました。就職先を伝えていたため、「返さないならお前の職場に連絡する。証拠はある」とも言われたそうです。

過去にも一度、職場に内容証明を送ってきたことがあるといい、相談者は危険を感じています。相談者はどのように対応するべきなのでしょうか。渡邊幹仁弁護士に聞きました。

●「返金する必要はない」

ーー相手は借用書のある10万円以外にも、パパ活で渡した30万円の合計40万円の返金を要求していますが、返金する義務はあるのでしょうか

結論からいえば、借用書のない30万円は返金する必要はないと考えられます。

「パパ活」をしてお金をもらう約束をすることも一種の契約だと考えられます。「パパ活」の内容にもよりますが、性行為を伴う「パパ活」の契約は、民法90条の公序良俗違反となり無効となると考えられます。

すでに支払われている30万円は、民法708条の不法原因給付に該当し、その返還を求めることができません。

ーーもし仮に、相談者の「パパ活」契約が公序良俗違反にあたらない場合はどうでしょうか

その場合でも、30万円は贈与等と解され、「パパ活」契約に基づく支払いとみなされることになります。したがって、この場合でも返金する義務はないと考えられます。

ーー相談者は職場に連絡されることを恐れています。対処法はありますか

「職場に連絡する」という元客の発言は脅迫や恐喝にあたる可能性があります。

職場に内容証明を送るという行為も、明らかに理由を欠くにもかかわらずそうすれば脅迫等の行為にあたる可能性があります。また、このような元客の行為は、ストーカー規制法によって規制される「つきまとい等」にあたる可能性もあります。

この相談者がこの男性との接触を断つためには、警察に相談することもおすすめです。また、弁護士に依頼し代理人として交渉してもらうことで、元客に行為をやめるよう説得・警告等していくことも考えられます。

プロフィール

渡邊 幹仁
渡邊 幹仁(わたなべ みきひと)弁護士 そらいろ法律事務所
離婚・親子関係などの家事事件、男女問題、不法行為に関する事件や、刑事事件・犯罪被害事件を数多く取り扱っている。

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