「小学校のPTA内で夫が不倫しています。不倫相手の子どもを転校させたいです」。弁護士ドットコムに、このような相談が寄せられています。
相談者の夫は、同じPTAに所属するシングルマザーの女性と不倫関係に。女性は交際していた事実を認め、「もう終わりにします」と言ったため、相談者はその言葉を信じることにしました。
ところが、約束は守られることはなく、その後も不倫関係は続いていました。夫は女性の子どもを連れて一緒に遊びに出かけることもあるようです。
また、相談者の子どもと不倫相手の子どもはお互い同級生でもあります。相談者の子どもは、不倫相手の子どもに「●●ちゃんのパパうちに遊びにくるよ」などと言われ、不思議に思ったことを相談者に伝えたそうです。
相談者は子どもへの影響を心配しており、不倫相手の子どもを転校させたいと考えています。このようなことは法的に可能なのでしょうか。理崎智英弁護士の解説をお届けします。
●不倫相手の子を転校させることはできる?
ーー不倫相手の子どもを転校させることは法的に可能なのでしょうか。
結論としては、そのようなことは法律上不可能です。そもそも、子どもは親の不倫とは無関係ですし、他人の子どもを他校に転校させる権利を有するのは、その子の親だけであり、第三者にはそのような権利はありません。
結局、子どもの耳に入ってしまえば、悪影響が避けられないリスクがつきまとうことになります。
●子どもからも親からも広まるリスク
ーーPTA内という、身近なコミュニティで不倫をすることのリスクはあるのでしょうか。
不倫の当事者が、ある仲間に「ここだけの話だけど」と言って話した内容がコミュニティ全体に伝わってしまうということも大いにあり得ます。また、親が不倫行為をしていることを知っている子どもから伝わることもあるでしょう。
中には、配偶者が不倫をしていても、不倫相手がどこの誰だか分からず、慰謝料請求をしたくてもできないというケースもよくあります。不倫相手が同じコミュニティの人であれば、その人の素性(場合によっては住所なども)は分かっているので、慰謝料請求を受けるリスクが高いといえるでしょう。
不貞行為は民法上不法行為として、損害賠償の対象になる行為です。親の不倫を知った子どもの気持ちを考えると、「ばれやすい・ばれにくい」にかかわらず、するものではないですね。
(弁護士ドットコムライフ)