「子どもに麻雀を教えても大丈夫」
これまで、麻雀店は風営法の規制対象とされ、18歳未満は原則として立ち入りができなかった。そのため、賭けない「麻雀教室」であっても、子どもが参加しにくい状況が続いていた。
こうした扱いが、2026年7月から大きく変わった。警察庁は風営法の解釈運用基準(通達)を改正し、一定の条件を満たす施設は、当面、風営法の規制対象としないことを明確にした。
Mリーグ人気などを背景に「賭けない麻雀」は知的ゲームとして注目を集めている。今回の見直しにはどんな意味があり、どこまで認められるのか。元プロ雀士で、賭け麻雀問題にも詳しい芳賀広健弁護士に聞いた。
●「18歳未満の子どもは参加できませんでした」学ぶ場の扉が開く
──今回の見直しをどう受け止めていますか。
これまで、麻雀教室や健康麻雀など、賭博とは無関係の形であっても、原則として風営法上の許可が必要と考えられてきました。そのため、風営法の規制対象となる場合は、麻雀教室であっても18歳未満の子どもは参加できませんでした。
今回の解釈運用基準の改正では、一定の要件を満たす施設については、風営法の規制が及ばないことが明示されました。これにより、18歳未満でも、健全に麻雀を学びたい人が教室に通える道が開かれたといえます。
●麻雀を「知的ゲーム」として捉え直す流れを後押し
──元プロ雀士として、また「賭けない麻雀」の広がりを見てきた立場から、麻雀を「学ぶ場」が法令解釈上あらためて位置づけられたことの意義と、懸念があれば教えてください。
今回の改正は、麻雀を「お金を賭けるもの」から「知的ゲーム」として捉え直す流れを後押しするものだと思います。高齢者から子どもまで、健全なゲームとして広く浸透するきっかけになればよいと考えています。
一方で、今回見直されたのは、あくまで風営法上の「まあじやん屋」の解釈基準です。通常の麻雀店には、これまでどおり風営法の規制が及ぶのが原則であり、今後の運用を注視する必要があります。
●身元確認や賞品禁止「健全な学びの場には重要」
──警察庁の通達では、「常態として麻雀を教授する者の指導及び管理の下に客を置く措置が適切に講じられている」ことが要件とされていますが、この線引きはどこまで明確でしょうか。
この通達を受けて、日本麻雀スポーツ振興機構はガイドラインを公表しています。報道によると、警察庁と長年協議を続けてきた内容が一定程度反映されているものと受け止めています。
たとえば、利用者の氏名や年齢、連絡先などを把握し、身元不明者の利用を制限すること、現金や賞品など金品の授受を禁止して賭博の可能性を排除すること、アルコールの提供や喫煙を制限することなどは、健全な学びの場として重要です。18歳未満の利用に保護者の同意を求めている点も評価できます。
また、管理責任者だけでなく、指導員資格を有する者の常駐や定期研修も求められています。麻雀の技術だけではなく、教育・指導方法や倫理、マナー、社会性まで重視していることからも、「学ぶ場」として位置づけようとしている意図がうかがえます。
──現実的な運用の課題はどこにありますか。
課題は、この水準をどこまで維持できるかでしょう。
また、このガイドラインは業界団体が自主的に策定したものであり、「常態として麻雀を教授する者の指導及び管理の下に客を置く措置が適切に講じられている」という通達そのものの解釈を示すものではありません。その点には注意が必要です。
とはいえ、実務上は、このガイドラインが施設運営の重要な目安になっていくものと思います。