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遠距離10年愛の末路、彼女は「他の男と同棲」「年齢サバ読み」のシンママだった!
画像はイメージです(Kazpon / PIXTA)

遠距離10年愛の末路、彼女は「他の男と同棲」「年齢サバ読み」のシンママだった!

「10年間、遠距離恋愛していた彼女が浮気していました。彼女と、相手の男性に慰謝料を請求することはできますか」。弁護士ドットコムにこのような相談が寄せられています。

相談者と彼女は遠距離のため、会えるのは年に数回のみ。それでも、毎日連絡は欠かさず取り合い、籍は入れていなくとも「夫婦の関係」だと思っていたそうです。

「過去にプロポーズをして、1度断られています。距離や家庭の事情などが原因で、そのうち結婚できると思い、真面目に10年交際してきました」という相談者。ところが、1年ほど前から彼女の言動に違和感を感じるようになってきました。

相談者が独自に調べたところ、彼女が近場に住むバツイチの男性と同棲し、肉体関係を持っていることが判明。さらに、離婚歴があって子どもがいること、年齢詐称をしていることなど多くの嘘も分かったといいます。

「今後はさらに結婚は厳しくなるし、信頼していた人に裏切られて辛い」と相談者はつらい気持ちを打ち明けています。

彼女と浮気相手に慰謝料を請求することはできるのでしょうか。男女間の法律問題にくわしい渡邊幹仁弁護士 に聞きました。

●結婚していなければ「法的な保護」は与えられない

ーー相談者のように結婚していない男女の場合、相手が浮気をしたり、一方的に別れたりしたことを理由に慰謝料を請求することはできるのでしょうか

「結婚していない男女の関係については、それぞれが合意していれば、どのような交際をして、どのような関係を築くのかは、原則として、当事者の自由です。裏返せば、交際を終わらせるのも自由ということになります。

婚姻届を出して結婚すれば、それに見合う法的効果が得られます。相応の理由がなければ、一方的に別れることはできませんし、非がある場合は、慰謝料を支払う義務も生じます。

逆に言えば、結婚をしていない以上、法的な保護は与えられないというのが原則です。

したがって、単に交際していただけの相手と別れたり、ほかの相手と交際したりしたとしても、その場合には慰謝料を支払う義務は生じない、ということになります。相手への慰謝料請求が認められることは難しいでしょう」

●婚約が成立していれば、慰謝料請求できる場合も

ーー「10年」という交際期間の長さは、考慮されないのでしょうか

「交際といっても、婚約や内縁関係が成立している場合は別です。婚約が成立するためには、『将来結婚する』という『合意』があればよく、必ずしも婚約指輪の交換や結納をしている必要はありません。

単に交際期間が長いというだけでは、婚約は成立しません。ただ、結婚を前提とした言動があった場合は、婚約が成立しているとみられる可能性があります。

今回のケースでいえば、結婚の意思があることを伝えていますが、相手に断られています。もし親族や友人からも夫婦として認められているような深い関係になっていれば、相談者が思うように『夫婦同然』と言えるかもしれません。ただ今回の相談内容からは、そこまでの深い関係にあったとはうかがえませんでした」

ーーでは、どのような事情があれば、婚約が成立しているといえますか

「たとえば『将来は専業主婦として自分を支えてもらいたい』と言って、彼女にそれまで勤めていた仕事を辞めてもらい、その代わりに生活費を支払っていた、などのケースです。その場合には、交際を終わらせるにあたり、婚約を一方的に破棄したとされ、慰謝料を支払う義務が生じる場合もあります。

ただ、今回は前述したように、婚約が成立したとは言えず、交際相手に対しても、またそのパートナー(同棲相手)に対しても慰謝料を請求することは難しいでしょう」

プロフィール

渡邊 幹仁
渡邊 幹仁(わたなべ みきひと)弁護士 そらいろ法律事務所
離婚・親子関係などの家事事件、男女問題、不法行為に関する事件や、刑事事件・犯罪被害事件を数多く取り扱っている。

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