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仕事休んで海外留学、ワーホリしたい…会社員が知っておきたい「休暇・休職」のルール
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仕事休んで海外留学、ワーホリしたい…会社員が知っておきたい「休暇・休職」のルール

海外留学プログラムやワーキングホリデーなどのために、仕事を休むことはできないのか、という質問が、インターネットのQ&Aサイトに複数、投稿されています。

会社によっては、海外留学のための休職を認めていますが、そうでない会社も多数あります。また、「厚生年金保険料をタダにするには退職するしかないのでしょうか?」といった質問も寄せられていました。

留学などの個人的理由による長期の休みが認められるためには何が必要なのでしょうか。櫻町直樹弁護士に聞きました。

●どんな理由でも、長期休暇を取得することはできる?

ーー留学のためという理由で、休暇を取得する、あるいは休職することは認められるのでしょうか?

一定の勤続年数を経た従業員を対象として付与される比較的長期間の休暇は、一般に「サバティカル(Sabbatica)休暇」と呼ばれ、近時、これを設ける企業もじょじょに出てきたと思います。

休暇使途に特段の制限がなければ、このサバティカル休暇を使って留学するという方法が考えられるでしょう。なお、サバティカル休暇は「特別休暇」の一種であり、他にも、「リフレッシュ休暇」や「記念日休暇」、「ボランティア休暇」といった特別休暇が見受けられます。

特別休暇は、年次有給休暇などとは異なり、法令上の定義があるものではなく、企業が福利厚生等の一環として独自に付与する休暇と考えておけばよいでしょう。 

なお、「制度のない会社」では、そもそも休暇を申請することはできません。特別休暇について、これを設ける場合には労働基準法の定めにより就業規則に記載する必要があります(労働基準法89条1号)。

ただし、企業が福利厚生等の一環として独自に付与する休暇という性質からすれば、取得に際して条件を設けることも可能であり、「業務繁忙期には取得を認めないことがある」という定めも有効といえるでしょう(ただし、そうした条件についてはきちんと就業規則に明記しておかねばなりません)。 

また、「休職」というのは、従業員側の事由によって就労が不能または適切ではない状況が生じた場合に、使用者が、一定の期間を定めて従業員の労働義務を免除することをいいます。

(業務上の要因によらない)病気休職が典型ですが、この他、例えば従業員が起訴された場合の起訴休職、留学等に伴う自己都合休職などがあります。

自己都合休職が制度として設けられている場合であっても、休職を認めるかどうかは会社の裁量に委ねられます。会社が、留学の必要性、内容、業務状況等を総合的に考慮した結果、休職を認めないという判断をしたとしても、法的に問題となることはないと思います。

ーー 休み期間中、社会保険料の支払いは猶予されないのでしょうか。

休暇、休職中であっても、被保険者としての資格を喪失する訳ではないので、社会保険料の負担が免除されることはありません。

なお、通常は支給される賃金から社会保険料が控除(いわゆる「天引き」)されると思いますが、休暇・休職期間中は「無給」という場合、賃金からの控除ができないこともあるでしょう。このような場合は、会社側と支払方法等について協議しておく必要がありますね。

(弁護士ドットコムニュース)

この記事は、公開日時点の情報や法律に基づいています。

プロフィール

櫻町 直樹
櫻町 直樹(さくらまち なおき)弁護士 内幸町国際総合法律事務所
石川県金沢市出身。企業法務から一般民事事件まで幅広い分野・領域の事件を手がける。力を入れている分野は、ネット上の紛争解決(誹謗中傷、プライバシーを侵害する記事の削除、投稿者の特定)。

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