スーパーのレジの女性店員があまりにかわいかったので、電話番号を渡したーー。ネット掲示板に、ある男性のエピソードが投稿されていた。番号を渡したあと、電話がかかってきたので、男性はウキウキ気分で出た。だが、相手は店長で、「ナンパとかやめてもらえますか?そういうお店じゃないんで、あまり酷いようなら入店禁止にさせていただきます」と警告されてしまった。
男性はこの電話に対して怒り、本社にクレームのメールを送ったところ、本社からは「従業員が精神的苦痛を受けていると言う報告がありましたので、これ以上被害をもたらすようでしたら然るべき処置を取らせていただきます」と返事が返って来た。
男性は「ストーカーじゃなくて純粋に好きなんだよ」と強調しているが、ネットの反応は「一方的な行為は恋愛とは言いません」「こうしてストーカーからの被害を未然に防いだスーパーは流石である」と、男性に批判的なコメント一色だ。
この男性がやったことは、法的な問題があるのか。また、今回の警告を無視して、さらに継続した場合、どのような問題が生じるだろうか。水野順一弁護士に聞いた。
●一度渡すだけでは問題なさそうだが・・・
「女性店員に電話番号を渡したこと自体は問題ありません。ストーカー規制法では、交際を要求することが処罰の対象となりうる(『つきまとい等』にあたる)とされていますが、一度電話番号を渡すだけで犯罪や不法行為になるのでは、片想いの告白すらできなくなってしまいます。
しかし、相手の嫌がることをしてはいけないことは社会の常識です。店長から電話で警告されたのであれば、女性店員が嫌がったということですから、そこでやめるべきでした」
本社にクレームのメールを送ったことは問題ないのだろうか。
「一度クレームのメールを送ったくらいであれば問題はありませんが、それ以降も同様の行為を継続した場合、スーパーの業務に支障が生じれば、スーパーに対する業務妨害罪になることもあります。
女性店員に対しても、交際の要求やつきまとい、待ち伏せ、連続した架電、FAX、メールの送信等の『つきまとい等』を繰り返し、女性店員が不安を覚える場合には、ストーカー規制法に基づき警察から警告を受けたり、公安委員会から禁止命令を受けることもあります。これらに違反する場合や、被害者から告訴された場合には、罰則があります。
また、不法行為として財産的、精神的損害の賠償を求められることにもなります」
水野弁護士はこのように話していた。