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「まじめに生きている人を守る司法に」闇サイト殺人事件の遺族、死刑存続訴える
磯谷富美子さん

「まじめに生きている人を守る司法に」闇サイト殺人事件の遺族、死刑存続訴える

犯罪被害者支援や死刑制度について考えるシンポジウム(主催:犯罪被害者支援弁護士フォーラム)が12月17日、東京都内で開かれた。2007年に起きた「闇サイト殺人事件」で、一人娘の利恵さん(当時31)を亡くした磯谷富美子さんが登壇。磯谷さんは「死刑反対と軽々しく口にしてほしくない」「私が(被告)3人の死刑を望むのは当然のこと」と述べ、死刑制度の存続を訴えた。

●「加害者の更生は不確定」

「闇サイト殺人事件」は2007年8月、名古屋市内で発生。当時会社員だった利恵さんは、帰宅中に、金目当ての男3人に車で拉致された。男たちは利恵さんから現金約6万円を奪ったうえ、ハンマーで何度も頭を殴るなどして殺害。遺体を岐阜県の山中に埋めて逃走した。

一審では、被告3人のうち、2人に死刑判決、1人に無期懲役が言い渡されたが、控訴審で、1人が無期懲役に減刑され、最終的には1人死刑、2人無期懲役が確定した。ところが、無期懲役に減刑された被告が、過去に別の強盗殺人事件に関与した疑いで、再び逮捕・起訴された。その結果、一審で死刑、控訴審でも死刑が言い渡され、被告が最高裁へ上告している。

磯谷さんは加害者について、「これまでの裁判を通して、身勝手な欲のために何の関係も落ち度もない人の命を簡単に奪えるほど、善悪に対する根本的な考えが一般の人とは違うということを知りました。被告の1人は殺害行為は仕事感覚といいました。ゴキブリを殺すのと一緒だと」と述べ、「加害者の更生という未来の不確定なことを前提にして裁くのではなく、まじめに生きている人を守ることを優先して裁く司法であってほしい」と語った。

さらに、死刑反対派に向けて、「あなたの娘や息子の命、それに愛する家族の命を奪った加害者に対しても死刑反対と言えるのでしょうか。本当に親として家族の一員として反対に満足なのでしょうか。ひとごととしてではなく、今一度お考えください」と呼びかけていた。

(弁護士ドットコムニュース)

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