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「レアポケモンGET」デマで人が殺到、本当の発見情報なら業務妨害罪に問われない?
さまざまな場所が「ポケストップ」になっている

「レアポケモンGET」デマで人が殺到、本当の発見情報なら業務妨害罪に問われない?

「ポケモンGO」の人気が止まらない。ピカチュウなど、人気のポケモンが出現するスポットの情報は、ツイッターなどSNSを通じて拡散し、人が押し寄せている。

一方で、「自宅がポケストップ(ポケモンが出現したり、アイテムがもらえたりする場所)に登録され、人が押し寄せて迷惑している」といった声もネット上には上がっている。名古屋の鶴舞公園では、「ミュウツー(レアなポケモン)が出た」といったデマと見られる情報が拡散し、深夜に人が詰めかける事態も起きた。

デマを流すことには当然問題があるだろうが、「ここでレアなポケモンが出た!」など、特定の場所を拡散する行為は、法的に問題ないのだろうか。投稿した場所が店舗などで、人が押し寄せて業務に支障が出るような事態に発展した場合、投稿者が業務妨害罪に問われることはないのだろうか。田沢剛弁護士に聞いた。

●摘発の可能性は低い

「刑法233条は、『虚偽の風説を流布し、又は偽計を用いて、人の信用を毀損し、又はその業務を妨害した者は、3年以下の懲役又は50万円以下の罰金に処する』と定めています。

そのため、業務妨害罪が成立するためには、次のいずれかの手段を用いられた結果、業務が妨害された(正確には妨害の危険が生じた)と評価できる必要があります。

(1)事実と異なった内容の噂を、不特定または多数の人に伝播させた(『虚偽の風説を流布し』)

(2)相手方の錯誤・不知の状態を利用する。または、社会生活上の受任限度を超えて、不当に相手方を困惑させるような手段を用いた(『偽計を用いて』)」

田沢弁護士はこのように述べる。拡散した情報が真実であれば、仮に業務に支障をきたしたとしても、業務妨害罪にはあたらないということだろうか。

「情報が真実ではないことを認識していたのであれば、『虚偽の風説を流布した』として業務妨害罪が成立することは分かるでしょう。

一方で、仮に情報が真実であったとしても、そのような情報を拡散することにより、業務に支障を及ぼす危険性があるものと認識した上で、あえて店舗の知らないところでそのような情報を拡散する行為は、『偽計』による業務妨害罪が成立する可能性があります」

それでは、店舗の場所などが出現スポットになっていた場合には、情報を発信しない方が無難ということだろうか。

「流行りのゲームに関する情報を知らせる趣旨から出たに過ぎない行為についてまで、警察当局がこれを摘発するとは思えません(積極的な業務妨害の意図をもってなされたといった事情があるなら別ですが)。

店舗にとっても、たくさんの人に来店してもらえることになって、むしろ歓迎すべき事態だと判断するのであれば、そもそも被害届が出されるといったことも考えられないのではないでしょうか」

田沢弁護士はこのように述べていた。

(弁護士ドットコムニュース)

この記事は、公開日時点の情報や法律に基づいています。

プロフィール

田沢 剛
田沢 剛(たざわ たけし)弁護士 新横浜アーバン・クリエイト法律事務所
1967年、大阪府四条畷市生まれ。94年に裁判官任官(名古屋地方裁判所)。以降、広島地方・家庭裁判所福山支部、横浜地方裁判所勤務を経て、02年に弁護士登録。相模原で開業後、新横浜へ事務所を移転。得意案件は倒産処理、交通事故(被害者側)などの一般民事。趣味は、テニス、バレーボール。

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