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キンプリ永瀬廉さんを脅迫「刺し殺すぞ」、本気じゃなくても罪に問われる?
警視庁(PIXSTAR / PIXTA)

キンプリ永瀬廉さんを脅迫「刺し殺すぞ」、本気じゃなくても罪に問われる?

アイドルグループ「King & Prince」(キンプリ)のメンバー、永瀬廉さんの殺人予告をネット掲示板に投稿したとして、このほど50代の主婦が脅迫の疑いで書類送検された。

報道によると、主婦は2023年12月、インターネット掲示板に「永瀬刺し殺すぞ」と書き込んだ疑い。永瀬さんの所属事務所が警視庁に相談したことで、事件が発覚したという。

主婦はキンプリを脱退したメンバーで結成したグループ「Number_i」(ナンバーアイ)のファンとみられており、永瀬さんのファンがネット掲示板に中傷を書き込んだため「やり返した」と認めているそうだ。

●本気で殺すつもりはなかったとしても罪に問われる

一方で、あくまで報道ベースの仮定ではあるが、書き込みに対する「やり返し」であるならば、本気で「刺し殺す」つもりはなかったのではないかと思える。刑事事件に詳しい西山晴基弁護士が解説する。

「脅迫といえるには、『相手』に恐怖を与えうるものであれば足り、『加害者』に危害を加える意思が本当にあることまでは要しません。そのため本気で殺すつもりはなかったとしても、脅迫罪に問われる可能性があります」

ファンたちの書き込みの舞台は、インターネット掲示板「5ちゃんねる」だったとされている。永瀬さん本人は見ていないようにも思われるが、それでも「脅迫」は成立するのだろうか。

「脅迫が成立するには、相手にその内容を認識させることが必要です。また、殺人罪などと異なり、脅迫罪は未遂では処罰されません。そのため、永瀬さんが今回の脅迫内容を知るに至っていない段階では成立しません。

ただし、相手に認識させる方法は、本人に直接伝えなくても、間接的に認識させるものでも足ります。ファンや所属事務所が発見して、永瀬さんが間接的に伝え聞いて認識した場合にも成立するのです」

●「他者へのリスペクトを忘れないように」

キンプリをめぐっては、メンバーの脱退で一部ファンも分裂していると言われている。たとえ頭に血が上ってしまったとしてもやりすぎはダメだ。自分のためにも「推しメン」のためにも自重が求められるだろう。

永瀬さんの所属事務所はHPで、誹謗中傷について「単なる言葉でも、それを受けた側は、とても傷つく行為です。相違がある時にこそ、どうかお互いの意見に耳を傾け、他者へのリスペクトを忘れないようにしてください」と呼びかけている。

この記事は、公開日時点の情報や法律に基づいています。

プロフィール

西山 晴基
西山 晴基(にしやま はるき)弁護士 レイ法律事務所
東京地検を退官後、レイ法律事務所に入所。検察官として、東京地検・さいたま地検・福岡地検といった大規模検察庁において、殺人・強盗致死・恐喝等の強行犯事件、強制性交等致死、強制わいせつ致傷、児童福祉法違反、公然わいせつ、盗撮、児童買春等の性犯罪事件、詐欺、業務上横領、特別背任等の経済犯罪事件、脱税事件等数多く経験し、捜査機関や刑事裁判官の考え方を熟知。現在は、弁護士として、刑事分野、芸能・エンターテインメント分野の案件を専門に数多くの事件を扱う。

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