「ゆっくり茶番劇」問題、ドワンゴが商標権の放棄交渉などの対策公表
ドワンゴ専務取締役COOの栗田穣崇氏(2022年5月23日/弁護士ドットコム撮影)

「ゆっくり茶番劇」問題、ドワンゴが商標権の放棄交渉などの対策公表

動画ジャンルの「ゆっくり茶番劇」が商標登録されたことをめぐり、ニコニコ動画を運営するドワンゴは5月23日、都内で記者会見を開いて、クリエイターが安心して創作を続けられる環境を作るために4つのアクションを実施すると発表した。

アクションは(1)商標権の放棄交渉(2)商標登録に対する無効審判請求、(3)使用料を請求された人への相談窓口の設置、(4)商標登録による独占防止を目的とした商標登録出願――だ。

●動画投稿者が「商標登録」を発表していた

「ゆっくり動画」とは、ゲームシリーズの「東方Project」のキャラをデフォルメしたイラストと音声の組み合わせた動画スタイル。

ドワンゴによると、ゆっくり動画は2008年ごろから創作がはじまり、「ゆっくり茶番劇」という言葉を含む動画も、2011年からニコニコ動画に投稿されているという。ニコニコ動画内ですでに80万本以上もある人気ジャンルだ。

ところが、動画投稿者の柚葉さんが5月15日、「ゆっくり茶番劇」の商標権を取得して、商標を使用する場合は年間10万円の使用料が発生するという内容をツイッター上で発表して、物議を醸していていた。

ドワンゴは当該商標に関して、法律事務所と協議したうえで、「ゆっくり茶番劇は特許庁に登録されている文字列だが、その効力は限定されており、ほとんど影響せず、これまで通り動画投稿しても問題ない」という見解を発表していた。

●「インターネット上の動画ジャンルを表す言葉だ」

ドワンゴ専務取締役COOの栗田穣崇氏は、この日の記者会見で「(ゆっくり茶番劇は)インターネット上の動画ジャンルを表す言葉であって、特定の作品の出所を示す商標ではないと考えている」と述べた。

柚葉さんの所属先は「商標権の放棄」について発表しているが、動画投稿先のドワンゴとしては「訴えられる可能性のある当事者」として、放棄交渉をするという方針には代わりはなく、もし放棄に応じてもらえなかった場合、無効審判を請求するとした。

また、使用料の請求も否定されているが、この日の段階において、商標使用料を請求される可能性は残っているほか、権利者になりすました人がクリエイターに不当な請求をおこなうおそれがあることから、無償の相談窓口も設置する。

さらに独占防止を目的として、関連した商標登録出願もおこなう。もし商標登録が拒絶されれば、だれも取得できないことになり、商標登録できたとしても、ドワンゴとしては「将来にわたり一切の権利行使しない」としている。

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