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2020年07月14日 10時15分

「米津玄師がかわいそう」「とばっちりだ」 担当スタイリストの逮捕報道に批判の声

「米津玄師がかわいそう」「とばっちりだ」 担当スタイリストの逮捕報道に批判の声
画像はイメージです(tkc-taka/PIXTA)

東京都内の自宅で大麻を所持したとして、スタイリストの男性が7月上旬、大麻取締法違反の疑いで警視庁に現行犯逮捕された。

報道によると、この男性は、シンガー・ソングライターの米津玄師さんなど、人気アーティストのスタイリングを担当していたという。

一方、ネット上では「米津玄師は関係ない」「完全にとばっちりでかわいそう」「いちいち名前入れんでいいから」などと、報道の仕方に対する厳しい声があがっている。

●現在の裁判実務では「違法」とされていない

つまり、事件そのものに直接関係のない有名人の名前が、記事に出てくることに対して、違和感があるようなのだ。

しかし、こうした報道の仕方は、今回のケースだけには限らない。そもそも法的に問題ないのだろうか。

「今回のように、別人物が起こした犯罪に関連し、無関係の名前を掲載されたことで、インターネット上にある記事を削除請求したいという相談はそれなりの数があります」

インターネットの権利侵害問題に取り組む中澤佑一弁護士はこのように語る。しかし、現在の裁判実務では、「違法」とされておらず、削除は難しいという。

「有名人の仕事を担当していたという記事に記載されている内容自体は客観的真実に合致しているため、無関係だと主張しても、裁判所は『記事を読めば犯罪とは無関係だとわかる』として、違法とは考えないのが通常です。

たしかにちゃんと読めばわかりますが、そもそもちゃんと記事を読む人など少数派ですし、見出しを見て、何となくネガティブな印象を持つ人もいるでしょう。しかし、そのような記事の読み取り方は『一般読者の普通の注意と読み方』ではないとして、記事の中身をちゃんと読まない人々の存在を裁判所は認めません。

一方、メディア側も『読めばわかるでしょ。名誉毀損にはならない』という建前を取りつつも、実際は文字面だけ見て条件反射のように何も考えない人が多いということを想定して、目立つためにこのような報道をしています。いわゆる『ノーバン始球式』が代表的な例です。

しかし、裁判所が『違法』と認めないからといって、こういう報道の仕方は良くないと思います。メディアにはもう少し考えてほしいですね。また、われわれ読者としても正しいリテラシーを身につけてゆかなければなりません」

もちろんケース・バイ・ケースで、報道の意義があることも少なくないが、メディア側にも、読者側にも、非常に悩ましいテーマを孕んでいるといえそうだ。

取材協力弁護士

中澤 佑一弁護士
発信者情報開示請求や削除請求などインターネット上で発生する権利侵害への対処を多く取り扱う。2013年に『インターネットにおける誹謗中傷法的対策マニュアル(中央経済社)』を出版。弁護士業務の傍らGoogleなどの資格証明書の取得代行を行う「海外法人登記取得代行センター Online」<https://touki.world/web-shop/>も運営。
事務所URL:http://todasogo.jp

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