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自販機の「取り忘れドリンク」、本当にラッキー? 過去の「凶悪事件」知っていますか
画像はイメージです(Ushico / PIXTA)

自販機の「取り忘れドリンク」、本当にラッキー? 過去の「凶悪事件」知っていますか

どういう理由かはわからないが、自動販売機の取り出し口に未開封の飲み物が残っていることがある。誰かが取り忘れたのだろうかーー。

弁護士ドットコムにも、そんな自販機に忘れられた飲み物を持ち帰っても良いのか、という質問が寄せられた。

毒物が入っている恐れもあり、無視するのが一番だろうが、法的には勝手に飲んだり、持ち帰ったりしたらマズいのだろうか。永岡孝裕弁護士に聞いた。

●法的にも、健康的にもマズい

「取り忘れのジュースについては、誰が買ったものなのかについて、捜査機関(警察)も裏が取れないと思われますので、勝手に飲んだり持ち帰ったりしても実際に処罰される可能性は低いかと存じます。

もっとも、法的には『占有離脱物横領罪』に問われる可能性はあります」(永岡弁護士)

占有離脱物横領罪は、「遺失物横領罪」とも呼ばれる。落とし物や置き忘れ、ゴミ捨て場のゴミなどを勝手に持ち帰ったときに問題になることがある。

なお、1980年代には、自販機の取り出し口に放置された「毒入りドリンク」を飲んでしまい、短期間に約10人が亡くなる事件も起きている。

「放置しておくのがご自身の身を守るための最善の選択です」(永岡弁護士)

最近でも、秋田県で2019年11月、農薬入りの缶ビールが自販機の取り出し口に残されていたという報道があった。くれぐれも「ラッキー」などと思わないように。

プロフィール

永岡 孝裕
永岡 孝裕(ながおか たかひろ)弁護士 山田法律事務所
救いを求める方々に常に寄り添った法律家でありたいとの思いから、基本的に24時間、365日できる限り対応するようにしています。注力分野としては、刑事事件、インターネット問題、労働問題に重点的に取り組んでいます

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